新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、料理宅配アプリの利用者が急増している。今年3月では約335万人だった利用者が、10月には約631万人。じつに8割程度の増加となっている。
しかし、利用者数の増加に伴い、配達員の増加も顕著に。東京・世田谷区三軒茶屋のある一角には、至る所にウーバーイーツの配達員の姿が確認でき、ある日、現場で確認してみると、その数は1時間で24人だった。三軒茶屋の周辺にはデリバリーの注文が多いファストフード店が集積しており、待機場所としては適しているのだという。さらにある配達員によると、坂道が少ないことも、配達員が集まる理由の一つだとか。
一方、最近では配達員の増加によって注文が入ってこないと嘆く配達員も。需要が増えた結果として配達員が増え、ある配達員に関しては「1日7000、8000円ですね…」と飽和状態に覇気が無い。
そんな中、ウーバーの配達員で最高月収100万1600円を叩き出した人物がいる。大村達郎さん(31歳)は役者、DJなどで活動する傍ら、去年1月からウーバーイーツの配達員をはじめ、緊急事態宣言下の今年5月には月収100万円超えを果たしている。
大村さんの始動は午前9時。大村さんいわく「朝は配達をやる人が少ない。狙い目はマック(マクドナルド)。朝はマックの注文が入るので」。相棒のバイクに乗り込み神奈川県川崎市にある自宅を出発した大村さんが向かったのは「色々なレストランがある」と話す武蔵小杉だ。
しかし、到着した武蔵小杉には、先着している配達員が多数。この状況を見た大村さんは「(他の配達員が)いないところをどう探すかが大事」と話すと、東急田園都市線の鷺沼駅方面へ移動を開始。
国道246号線を移動中、スマートフォンに配達の知らせが。知らせを受けて向かったのはコンビニチェーン店のファミリーマート。およそ1分後に店から出てきた大村さんが手にしていたのはパンやコーラ。1回の受け取りで、2軒というケースもあるといい、1回の配達で受け取る収入は300円~500円程度。配達距離が延びれば、料金に反映される。交通状況などを確認しつつ、1時間に何軒回れるかが勝負なのだとか。最近はコーヒー1杯、タピオカ1杯、たこやき1皿など、単品の注文も多くなっており「近いところで駅を転々とできたら稼げる」と必勝パターンを明かしてくれた。
その後しばらく、配達案件を知らせる連絡はスマートフォンには届かなかった。そこで、大村さんは坂の多い街へ移動を開始する。すると10分後、自転車の配達員が少ないことを見越して移動した大村さんのもとに知らせが届く。注文の内容はハンバーガーとコーラだった。さらに立て続けにマクドナルドが2軒入ったが「稼げないですね…配達員が圧倒的に増えましたね」と大村さんの反応は渋い。結局、この日は4時間半で14件を配ってまわり、収入は約8000円。大村さんは密着の最後に、次のように話した。
「好きじゃないとできない。お店の傾向もそうだし、地理もそう。回数を重ねてくると感じが分かってくるので、ガムシャラにやってみるのは大事」
フェンシング男子フルーレの選手で、ロンドン五輪では団体銀メダリストにもなった三宅諒。自身も7月までウーバーの配達員で活動資金を捻出していた三宅は「同じところで2軒が入った。これは1度のピックアップで2個分の配達料が入ってくる。これはオイシイ状態」と話すと、自身の場合は西早稲田周辺でずっと待機していたこと。「僕は自転車だったので」と前置きしたうえで、多い時で1日6000円から7000円の稼ぎがあったことなどを明かした。
大村さん直伝、ウーバーイーツで稼ぐコツ5カ条をまとめると以下の通り。
・朝の「ファストフード」を狙え
・あえて「坂道が多い街」を選べ
・雨の日は「都心部」を攻めろ
・晴れた日は「へき地」へ行け
・夕方は「タピオカ」を拾え
この5か条を聞いた三宅は「自転車の場合は注文を受け、流しのタクシーのようにどんどん家から離れてしまう。それが嫌なので、一度アプリを切り、元の場所に戻ってからやっていた。どんどん遠くになってしまうのが、自転車の怖いところだ」などと自身の経験を踏まえて話した。
配達員が増えれば、トラブルも増加する。ウーバーの配達員については、東京の首都高を自転車で走行したり、最近では11月に札幌で配達員の自転車と歩行者が出合い頭に衝突するなどの事故が報道されている。
この件について三宅は「たまにウーバーイーツのバッグのロゴを消したりしている配達員がいる。しかし、そういうことをすると、交通違反であったりがルーズになる。しっかりと自分がウーバーイーツの人間で、配達をしているというのを意識すべき」と主張した。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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