攻めは大胆に、そして守りは繊細に。あの男の覚醒によって渋谷ABEMASの勢いがいよいよ止まらなくなってきた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」12月1日の第1試合で、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)が個人3勝目をゲット。この勝利で渋谷ABEMASは全4選手がプラス域に浮上し、熾烈な首位争いから頭ひとつ抜け出した。
この試合の対局者は赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)、U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、白鳥、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)の並びでスタート。
東2局の瑞原の1万8000点を皮切りに、高打点のアガリの応酬となった第1試合。激しい展開の中で輝きを放ったのは、チームとしても個人としても絶好調と言っていい状態にある白鳥だった。
東2局1本場、高目の7筒なら三色同順となる1・4・7筒待ちリーチをかけた白鳥に対し、勝負手の堀が7筒を一発放銃。安目の1筒であればリーチ・平和の手がリーチ・一発・タンヤオ・平和・三色同順の1万2000点(+300点)という大物手に化けたことで、白鳥の“1万2000点ショー”が開幕する。
続く見せ場は東4局2本場に訪れた。親番の堀の先制リーチにもひるまず三・六万待ちのリーチで押し返した白鳥は、“鳥”が描かれた1索を強気に暗カン。するとリンシャン牌は高目の三万、さらに新ドラで増えた裏ドラも2枚乗せてリーチ・ツモ・嶺上開花・一盃口・裏ドラ2の1万2000点(+600点、供託3000点)。リーチのみに終わる可能性もあった手を予想外のルートで跳満まで大変身させ、瑞原をかわしてトップ目に立った。
南場の親番では仕掛けを入れたチンイツ2連発も飛び出し、4回のアガリすべてが1万2000点という驚異の打点力で6万点超の大きなトップを獲得した白鳥。その一方で、試合後のインタビューでは堀のリーチを受けて当たり牌の6索を止めた東3局1本場の手順を振り返り、「ツイていた局よりも、そういった局の方が印象に残っています」「場がクリアに見えていた」と守備面での手応えを口にしていた。
メンゼンも副露も、攻めも守りも自由自在。“麻雀ハイブリッド”という異名にふさわしい麻雀を披露した白鳥は、序盤に大きく出遅れながらも個人スコアでプラス域に到達した。直近5試合で3勝2着1回という成績を残している白鳥の好調ぶりを、首位を争うライバルチームのEX風林火山・滝沢和典(連盟)は「ものすごく見えている。細かいところまで」と解説の立場から分析。4選手それぞれがエース級の働きを見せ、独走に向けて盤石の体制を築いた渋谷ABEMASに、もはや付け入る隙は見当たらない。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)6万4700点/+84.7
2着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)2万9200点/+9.2
3着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)1万4700点/▲25.3
4着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)-8600点/▲68.6
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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