藤井聡太二冠、杉本昌隆八段と3度目の師弟対決に勝利 初の上座に「こちらで失礼します」/将棋・叡王戦
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 将棋藤井聡太二冠(18)が12月3日、叡王戦段位別予選(八段戦)で杉本昌隆八段(52)に勝利、本戦出場にあと1勝とした。過去2勝していた杉本八段と3度目の師弟戦にも勝利。今回も“恩返し”を果たした。

【中継】叡王戦予選 藤井聡太二冠-杉本昌隆八段

 2018年に初対決、今年6月には竜王戦3組ランキング戦の決勝という場でも行った藤井二冠と杉本八段の師弟戦。この日は、両者1局勝利して、同日2局目同士という状況で戦った。対局前には、弟子ながら序列で上を行く藤井二冠が、「こちらで失礼します」と頭を下げてから、3度目にして初めて上座につくという点でも注目を集めた。

 将棋界では、タイトルホルダーや高段者が上座につくのが慣例。過去2度の対戦では杉本八段の方が高段だったため上座についたが、本局では藤井二冠がタイトルを保持しているために、慣例どおりに上座についた。

 出だしは藤井二冠が居飛車、杉本八段が四間飛車の対抗形になると、1時間の持ち時間を両者じっくり使って、中盤戦までにほとんどを使い果たす進行に。形を整えあった状況から攻めの糸口を探り合うと、藤井二冠が少しずつ局面の打開に成功。最年少で二冠を達成した力を師匠に存分にぶつけ、師匠相手に3連勝を果たした。

 対局後、藤井二冠は「序盤は失敗してしまったかなと思って指していました」と振り返ると、師匠との対戦については「序盤から機敏に動かれて、こちらがうまく対応できないところがあったので、そのあたりがうまく指されたのかなと思いますし、自分にとっては課題だと思います」と語った。また杉本八段は「今年はもう当たらないと思っていたんですが、こんなに早く当たるとは。前回はまだ藤井二冠が七段の時だったかと思いますが、改めてわずか半年でタイトルを2つ取っている成長、活躍を感じました」と噛み締めた。

 また上座・下座については、先に杉本八段が「当たり前のことなので。間違えないように早めに来て荷物を置きました」と微笑むと、藤井二冠は「下座につくつもりだったんですけど、先に荷物を置かれていたので、打つ手がないという感じでした」と微笑み返した。

 両者は同時に昇級を果たした竜王戦で、2組ランキング戦に参加。ここで2人とも決勝まで勝ち上がる、もしくは昇級者決定戦で戦う可能性がある。また、その他の棋戦でぶつかる可能性もあり、ファンも4度目の師弟戦に期待するところだ。

ABEMA/将棋チャンネルより)

叡王戦予選 藤井聡太二冠-杉本昌隆八段
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