変幻自在の麻雀で“魔法使い”の異名をとる男が、掟破りの黒魔術でファンを魅了した。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」12月3日の第2試合は、視聴者も「神半荘」と絶賛した大熱戦に。実力者同士の激しいバトルを制したのは、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)だった。
この試合の対局者はTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、園田、U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)の並びでスタート。直近3試合で3連続ラス、チームポイントがマイナス域に迫っている赤坂ドリブンズとしては、どうにか悪い流れを食い止めたい一戦だ。
チームの正念場で先発を託された園田は、東2局に“魔法”と称される得意の鳴きでアガリを決めるなど序盤から躍動。大きな見せ場となったのは東4局、対戦相手の“黒いデジタル”こと石橋が得意とする赤ドラ切りリーチを披露したシーンだった。
以前に石橋が見せたものと酷似したピンズの「355」から赤5筒を切って4筒待ちという選択に、実況を務めた日吉辰哉(連盟)は「掟破りの赤切り!」と絶叫し、視聴者も「面白すぎる」「最高」「ブラックマジシャン」と大盛り上がり。しかし園田は試合後のインタビューで、打点こそ下がるもののアガリの確率を上げるためには「有効な戦術」だと冷静に解説。“本家”の石橋は警戒を怠らなかったものの、結果的にリーチ宣言牌が4筒となり、園田がリーチ・赤・ドラの5200点(+300点、供託1000点)の加点に成功した。
さらに大接戦で迎えた南3局2本場、多井とのリーチ対決となった場面では、一発目に引いた白をカメラに見せずに盲牌して即ツモ切るという熱い一面も披露。冷静沈着な園田も思わず「力が入りすぎました」と振り返ったほどの気迫が届いたのか、多井からリーチ・タンヤオ・平和・ドラの1万2000点(+600点、供託2000点)を直撃し、オーラスを前に頭ひとつ抜けた4万2000点持ちのトップ目に立った。
そのオーラスでは逆転トップを狙う瀬戸熊のリーチに続き、ラス親の石橋も連荘を目指して追っかけリーチを敢行した。さらにラス目の多井も跳満のヤミテンという熟しきった状況から、仕掛けでテンパイを入れた園田がタンヤオ・三色同順・ドラの4000点(供託2000点)をツモってゲームセット。知恵と勇気を振り絞り、自らの力で勝利を手繰り寄せた。
赤坂ドリブンズにとって12戦ぶりとなるトップに、チームの危機を救った園田は「めちゃくちゃ嬉しいですね」と大喜び。トリッキーな赤ドラ切りの“黒魔術師”リーチから紙一重のめくり合いまで、4選手の思惑が複雑かつ濃密に交錯したドラマチックな対局に、視聴者も「なんて試合だ」「めちゃくちゃ面白かった」「ベストバウト確定」「神半荘」と大満足の様子だった。
【第2試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)4万8000点/+68.0
2着 U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)2万4400点/+4.4
3着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万4200点/▲15.8
4着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)3400点/▲56.6
【12月3日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +319.8(36/90)
2位 EX風林火山 +272.6(34/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +151.7(34/90)
4位 赤坂ドリブンズ +85.2(36/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲56.2(36/90)
6位 セガサミーフェニックス ▲238.3(34/90)
7位 KADOKAWAサクラナイツ ▲249.1(34/90)
8位 TEAM雷電 ▲285.7(36/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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