麻雀界広しと言えど、「ポン」の発声だけでファンを沸かせることができるのは彼女しかいないだろう。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」12月3日の第1試合で、副露率が極端に低いことで知られるTEAM雷電・黒沢咲(連盟)が自風の東をポン。“熱血実況”で知られる日吉辰哉(連盟)が興奮気味にその珍しさを伝える一幕があった。
全29選手の中でもっとも低い副露率を記録した2019シーズンに引き続き、今期も試合前の時点で全30選手中30位の副露率0.08(8%)を保っている黒沢。副露率1位のU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の0.29(29%)と比べると、その仕掛けの少なさは一目瞭然だ。明確に打点が見える場面か、オーラスの条件戦のような状況以外では滅多に鳴くことのない黒沢だが、メンゼン高打点派の代表格としてMリーグでは2シーズン連続で好成績をマークしている。
そんな黒沢だけに、半荘を通してまったく鳴かないということも少なくない。しかし3日の第1試合の南3局、3着目で迎えた親番でソウズのホンイツや対々和が狙える手が入ったことで、誰よりも高打点を愛する“セレブ”がついに重い腰を上げた。
対面のU-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)からホンイツにも対々和にも必要不可欠な2枚目の自風・東が放たれ、黒沢が「ポン」と発声すると、実況の日吉は「さあ鳴いた!久々に響き渡る黒沢の発声!珍しい!黒沢の右側に牌が置いてあることは珍しい!」とヒートアップ。解説を務めた渋川難波(協会)も、黒沢が安い手で副露をするはずがないということを踏まえ、対戦相手目線で「動いた!これは怖い」とコメントした。
この貴重なシーンに、視聴者コメント欄も「セレブが鳴いた!?」「山が動いた」「こえええええ」「プレミアム演出」「雪が降るぞ」と大盛り上がり。黒沢は直後に東のみのテンパイを入れるも、ホンイツに不要な対子の7筒を落としてテンパイを拒否。さらに対子落としの最中に重なった3筒も当然のように切り飛ばしていく。いずれもリーチの朝倉に対する安全牌ではなく、副露を入れても決して妥協せずに理想を追求する黒沢の姿勢に、ファンも「さすがセレブ」「かっこよすぎやろ!」「確かに雷電の麻雀は面白い」「マジですげぇよセレブ」とあらためて魅了されていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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