12月13日に開催されるK-1両国国技館大会、その目玉カードの一つが島野浩太朗vs芦澤竜誠のスーパー・フェザー級マッチだ。ビッグマウスとアグレッシブなファイトで脚光を浴びた芦澤だが、連敗を喫するとあっさり引退を表明。リングから離れ、その後の活動が注目されていた。
そんな中、今年9月にK-1 DXの企画『芦澤竜誠を殴りたいやつ、大募集』に登場し、そこから現役復帰へ。自分に目立つ場所を用意してくれたK-1に「恩返しがしたい」と言う。
昨年の引退表明を「フェイク」と言うあたりはいかにも芦澤らしいが、一方で「恩返し」とは意外な言葉だ。また、かつては練習嫌いを公言、「ジムに行っても気が乗らなければやめて帰る」と言っていたが、PURGE TOKYOに所属が変わり「練習が楽しい。変わったところを見せたい」とまで。これまでは「練習しなくても強い」と言い訳して練習から逃げてきたが、今は違うという。
ジムでは久保優太とともに練習。久保、木村“フィリップ”ミノルを育てた矢口哲雄トレーナーの指導を受ける芦澤。久保は「練習してない印象だったけど、毎日めっちゃ練習してますね」と言う。その成長については「パンチが上手くなりましたね。2ラウンドくらいで倒してくれるんじゃないか」とも。
対戦する島野はKrushでチャンピオンになった強豪だが、久保は今の芦澤の強さに太鼓判を押す。久保の妻サラ（かつて芦澤とともに曲を発表したことも）も、練習ぶりを見ると「なんかカッコいい」。矢口トレーナーによると、やはり芦澤は抜群のセンスの持ち主だという。そこに練習によって「本物の技術が習得できた」。技術と体力がついてスケールアップ、心技体が揃ってきたとも言う。
「心技体が揃ったらチャンピオン。来年はそのステージに行ける」
そう語る矢口トレーナー。芦澤は「自分に負けなきゃ、誰にも負けない」と今の強さに胸を張る。かつては勝っても負けてもセンスとポテンシャル頼みの部分があった芦澤だが、現在はそれに練習という確かなベースができた。もちろん、その成果を示すのは試合のリング。豊富なキャリアを持つ島野とどんな闘いを展開するかで、芦澤の変化と成長が試される。
