再び“政治とカネ”の問題「古典的な構図だ」 政治の金に透明性を持たせるためには
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 鶏卵業大手「アキタフーズ」の元代表から現金を受け取ったとの疑いが指摘されている、吉川貴盛元農水大臣と、9日に内閣参与を辞任した西川元農水大臣。吉川氏は現金合わせて500万円を、西川氏は現金数百万円を受け取っていた疑いが指摘されている。

【映像】“政治とカネ”再び

 野党側は9日、吉川氏と西川氏について、予算委員会の閉会中審査を開き参考人として招致を求める方針で一致した。一方で、菅政権となった今も捜査が続く「桜を見る会」の前夜祭をめぐる問題では、東京地検特捜部が安倍前総理本人の任意での事情聴取を要請している。

 「真実を解明することは大切ですから、誠意をもって対応していく」「まさに捜査が行われておりまして、事務所に対しても正式に答えるようにと申し上げているとおり。結論が出る前にここで申し上げるのは適切ではないと思うのでお答えを差し控えたい」と、「誠意をもって対応していく」と強調した安倍前総理。たびたび疑惑が浮上する“政治とカネ”をめぐる問題はなぜ繰り返されるのか。

再び“政治とカネ”の問題「古典的な構図だ」 政治の金に透明性を持たせるためには
拡大する

 東京工業大学准教授の西田亮介氏は「どれも昭和の時代から繰り返されてきたような古典的な構図に見える」とし、“政治とカネ”の問題について「ただし政治にもお金は一定程度必要だということは補足しておく必要がある。例えば、国会議員の歳費は高すぎるのではないかという指摘もあるが、党の要職に就いたり東京での活動が多い地方選出の国会議員の場合は地元の政治活動が手薄になりがち。地元にも事務所を開くと当然家賃が発生する。地元担当の秘書を複数名置くということにもなりがちだが、当然自腹なので、『政治にお金はかかる』ということだ」と指摘する。

 また、問題解決のために2つのアプローチがあるとし、「1つは、政治にかかるお金を国・税金で負担し、使途を明確化する方法だ。もう1つは、民間中心の政治献金などでカバーするが、その出入りをはっきりさせていくやり方で一長一短ある。今の日本の制度は、このどちらでもない中途半端な形になっている。1990年代に政治とカネが大きな社会問題になった時、政治改革関連法といって4つの法律を改正したことによって、政治家個人への献金は軽視聞き手に禁止されている。言い方を変えると、今表に出ているような事案は、はっきり言えばやり方がずさんなものだ。もっと丁寧な事業者の場合は、政治家個人ではないが、現実には政治家個人にもかなり近い政党支部や政治団体に合法的に献金をすることは認められている。ただし、金額によって領収書の提出が免じられていたりすることもあって、カネの流れが追跡できないようになっている。なので、すべてを国が持ち明細を明確化するやり方か、民間からのカネも認めるなら、もっと厳格に使途や献金者を国民が追跡可能にするべきだ」と述べた。

 さらに、安倍元総理の起訴には至らないのではないかとの見方を示し、「『またそうなるよね』となるのではなく、これにきちんと怒って『おかしいじゃないか』と声を上げていくことが大事。90年代の政治改革は社会の怒りが推進力になった。政治は当時以上に我々がどう考えているのかをみている。おかしいと思ったことにはしっかり声を上げていくべきだ」とした。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

「安倍さんは詰んでいた」“桜前夜祭”問題
「安倍さんは詰んでいた」“桜前夜祭”問題
“世界のパワフルな女性”に小池都知事
“世界のパワフルな女性”に小池都知事
この記事の画像一覧

■Pick Up
「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側

この記事の写真をみる(2枚)