ピンチになればなるほど燃える、ヒーロー気質の“天才”がまたしてもチームを救った。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」12月15日の第2試合で、セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）が自身4勝目をゲット。対局では難解な選択をことごとく的中させ、解説も思わず「天才か！」と感嘆した。
この試合の対局者は茅森、EX風林火山・勝又健志（連盟）、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）、渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）の並びでスタート。第1試合でトップの勝又が連投となった。一方、最下位のセガサミーフェニックスは和久津晶（連盟）の初戦ラスでマイナスが400ポイントを超える大ピンチに。同様のシチュエーションだった12月8日の第2試合で勝利を挙げた茅森に、再びチームの命運が託された。
茅森は東1局から日向への5200点の放銃という苦しい立ち上がり。しかしすぐさま2600点、5200点（供託1000点）の連続アガリで点棒を回復し、東4局には自風の南の対子落としを敢行。見事にカンチャンを埋めて満貫テンパイまでこぎつける。同局は惜しくも鈴木への1000点の放銃となったものの、役牌に固執しないメンツ選択の巧みさで好調ぶりを伺わせた。
南2局2本場には、東1局のお返しとばかりに日向からリーチ・一発・赤・裏ドラ2の8000点（＋600点、供託1000点）を直撃。このアガリで勝又とのトップ争いに持ち込むと、南3局1本場に最大の見せ場が訪れる。配牌から「ザクザク入ってきました」と怒涛のようにピンズが押し寄せ、わずか6巡で余り牌なしの清一色をテンパイ。この強烈なヤミテンに鈴木が飛び込み、平和・一気通貫・一盃口・清一色の1万6000点（＋300点）で一気に突き抜けたトップ目に立った。
オーラスも受け入れの広い8索切りではなく、場況を読み切ってマンズのカンチャン払いを選択。手に残したピンズのカンチャンターツを即座に埋めてテンパイすると、解説の渋川難波（協会）は思わず「天才か！」と感嘆。視聴者コメント欄にも「キレッキレ」「マジで天才」「うますぎるわ」と絶賛の声が飛び交う中、タンヤオ・平和の2000点（＋600点）のアガリで自らゲームを締めくくった。
セガサミーフェニックスは他チームに離された最下位と苦しい状況が続くものの、「その方が私は燃えていい。『行ってやろう！』って気持ちになりますね」と逆境をパワーに変えている茅森。さらに「（和久津）晶さんに5連勝って言われたんで。あと4連勝頑張ります」と冗談とも本気ともとれない笑顔で宣言するなど、マイペースな“天才”らしい強心臓も健在だ。昨季準優勝の不死鳥復活に向けて、幾度となくチームを救ってきた茅森の活躍に応えるチームメイトの奮起にも期待したい。
【第2試合結果】
1着 セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）4万7100点／＋67.1
2着 EX風林火山・勝又健志（連盟）2万8200点／＋8.2
3着 渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）1万6800点／▲23.2
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）7900点／▲52.1
【12月15日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 ＋385.2（42/90）
2位 渋谷ABEMAS ＋218.4（42/90）
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋132.9（42/90）
4位 赤坂ドリブンズ ▲45.8（42/90）
5位 TEAM雷電 ▲48.9（42/90）
6位 U-NEXT Pirates ▲106.1（42/90）
7位 KADOKAWAサクラナイツ ▲182.5（42/90）
8位 セガサミーフェニックス ▲353.2（42/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
