勝者以上に、これほどのインパクトを残す“グッドルーザー”は珍しい。「倒れそう、でも倒れない」と実況が絶叫した壮絶な打ち合いの結末は、カットに伴う多量の出血によるドクターストップ。レフェリーが両手を広げ、ゴングを要求した瞬間、倒れそうで倒れなかった男がついにリングに大の字になって倒れ、天井を仰いだ。その顔は無念をかみ殺すかのように歪み、左眉からは鮮血が滴っていた。