「自殺してから取り締まるでは遅い」LGBTQ発言も誹謗中傷の標的に…木村花さんの死から考えるSNSとの付き合い方
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 プロレスラーの木村花さん(当時22歳)を誹謗中傷した男性が17日、警視庁に侮辱容疑で書類送検された。

 【映像】生前にインタビューに答えていたプロレスラーの木村花さん

 書類送検された大阪府の20代男性は、今年5月中旬ごろ、木村花さんのSNSに「生きている価値あるのかね」などと複数回書き込んだ。木村さんは当時、恋愛リアリティー番組に出演していて、ネット上で誹謗中傷を受けた後に自殺した。

 警視庁によると男性は「番組内での態度が許せなかった」などと容疑を認めているという。男性は遺族に謝罪のメールを送っていて、木村さんの母・響子さんは「誹謗中傷のない世界にしたい」とコメント。警視庁は、SNS上の他の書き込みについても調べを進めている。

 ニュース番組「ABEMAヒルズ」にコメンテーターとして出演したモデルで建築家のサリー氏は「SNSでも誹謗中傷は許されない。犯罪として書類送検された事例ができたことはいいことだが『自殺してから取り締まる』では遅い。本人が自殺するよりも前に周りが告発するなど、よりスピード感が求められる。今回の事例ができたことで、これまでよりも書き込む側に緊張感が生まれたかもしれないが、SNSなどで誹謗中傷する人はまだまだ多い」と指摘。大学在学中に性別を変え、トランスジェンダーでもあるサリー氏も「マイノリティに関わる発言は、誹謗中傷の標的になりやすい」と自身の経験を明かす。

「自殺してから取り締まるでは遅い」LGBTQ発言も誹謗中傷の標的に…木村花さんの死から考えるSNSとの付き合い方
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「例えばLGBTQについての発言をしたとき、マイノリティに関わる発言は誹謗中傷の標的になりやすいと感じた。SNSでは顔や名前を明かさずに発言できる。対面では言わないようなことや、普段は人前で言わないことを発言する人がいる」

 亡くなった木村花さんを誹謗中傷した人が書類送検され、SNSを使う側にも緊張感を与える結果になった今回の事件。しかし、SNSを使う利用者全員のモラルやリテラシーを上げることは難しい。使う側の心がけとして、サリー氏は「SNSの種類によって発言の仕方や表現は変えるようにしている」と話す。

「今はFacebook、Instagram、Twitter、TikTok……SNSではないですがNewsPicksのような自分の意見を書き込める場所がいっぱいある。Instagramでは写真を載せるだけだったり、FacebookやNewsPicksでは具体的にコメントを入れるようにしたり、SNSのユーザー層を意識しながら発言内容を定めて使い分けするようにしている」

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 また、サリー氏は「いろいろなSNSが登場してから、もともとあったSNSの年齢層が大きく変わってきた。スマートフォンの普及で、主に2ちゃんねるなどの電子掲示板にアクセスしていた人がTwitterなどのSNSに流れてきた。一方で、Twitterを使っていた若いユーザーがTikTokやInstagramに流れていくなど、SNSユーザーの発言内容や届けたい内容が変わってきている」と解説。ユーザー層は時代とともに変化するとした上で、使う側の意識も常に変化していると語った。

ABEMA/「ABEMAヒルズ」より)

【映像】木村花さんを中傷した男性を書類送検
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