階級上げ絶好調。真っ向勝負で格上・緑川創を破った憂也、躍進の秘密はマウスピース?
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 RISEの年内最終興行となる、12月18日の後楽園ホール大会で大判狂わせが起きた。それもメインイベントで、である。

 赤コーナーは緑川創。国内70kgトップ選手の1人で、アンディ・サワーに勝利したこともある。今年、コロナ禍の中でも精力的にリングに上がり、これが4戦目だ。主戦場をRISEに移してからも、その実力者ぶりを発揮してきた。

 そんな緑川に挑んだのが憂也。今年に入り2連続1ラウンドKO勝利と好調な選手で、階級を上げて勢いが増した感がある。とはいえ選手の“格”でいえば緑川がはるかに上。ランキングもミドル級1位と6位だ。

【映像】格上・緑川創を撃破!

 憂也は、その格の違いに呑まれなかった。1ラウンドからジャブがよく当たり、蹴りもうまく散らしていく。身長では憂也が6cm高く、リーチの差を活かした闘いだ。

 これに対し緑川はローと右のパンチ。ジワジワとダメージを与え、自分の距離に入っていく。本戦3ラウンドの判定はドロー、延長突入だ。

 ここで一気に試合が動いた。勝負を決定づけるべく前に出た緑川に、憂也がカウンターのパンチ。これで緑川がダウンする。ポイントで大きく憂也がリード。セコンドからは打ち合うなという指示もあったが、憂也は最後まで真っ向勝負、パンチを繰り出して試合を終えた。見事な判定勝ちだ。

「気持ちが折れかけたんですけど、応援が力になって最後まで闘うことができました」と憂也。ダウンを奪った後は攻めようという気持ちも守りたいという気持ちもあったという。そこで「攻め」を選んだのにには「足が動かなかった」という事情もあった。そんなギリギリのところで勇敢に闘ったからこそのアップセットだとも言える。

「ベイノア選手にリベンジもしたいので」と、憂也は来年開催予定のDEAD OR ALIVEミドル級トーナメントへの参加をアピール。RISEの伊藤隆代表も「ぜひ参戦してほしい。この階級のトーナメントは飛び抜けた選手がいないから勝負論がある」とゴーサインを出した。

 伊藤代表が憂也の所属ジム会長から聞いた話として語ったのが、その躍進の秘密だ。

「前はマウスピースが合わなかったっていうんですよ。マウスピースを変えたら握力が急に上がったって」

 確かにスポーツにおいて“噛む力”は重要だ。パワーの出力が違ってくる。握力がパンチ力に影響するという話もよく聞くところ。

 もちろん憂也が成長した理由はそれだけではないはず。階級を上げて減量が楽になり、その分内容の濃い練習ができるということもあるだろう。選手同士で話し合い、考えて試合に臨むようになった面もあるそうだ。

 今回が40戦目だった憂也だが、ここからさらに伸びる可能性も充分。年内最終戦は、来年のトーナメントが楽しみになる一戦でもあった。

文/橋本宗洋

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