最終第3ラウンド、8分59秒まで終始攻め続けるも、“残り1秒”で痛恨の左フックを被弾。ラスト1秒で訪れた劇的な逆転KO決着に放送席やネットからは「もったいない!」の声が多数上がった。
12月18日に東京・後楽園ホールで開催された「RISE144」。知花デビットと内藤凌太の試合は、3ラウンドを通して常に優位に試合を進めてきた内藤が、残り1秒でのまさかのKO負けを喫した。
知花、内藤とも勝利から遠ざかっており、ともに勝利が欲しい一戦。RISE初参戦の内藤が序盤からスピードのあるコンパクトな打撃でリズムを作れば、対する知花はボディへのフック、さらに重い打撃で応戦。2ラウンドに入ってもパンチ、インロー、ミドルなど手数やプレッシャーで内藤が上回った。
自身の独特なテンポで蹴りパンチを当てていく内藤の打撃スタイルに、ABEMAでゲスト解説を務めた原口健飛が「独特ですよね、強弱じゃなくて全て同じリズムでずっと“中”で打つみたいな」と解説すると、直樹も「グネグネしていて、いい意味でキレがない攻撃。予想しずらい」と頷いた。
3ラウンド、ローとパンチの連打で前に出る内藤。これを嫌う知花もボディやローで応戦するが、ミドルや前蹴りを織り交ぜつつギアを上げた内藤に手こずる場面が続く。威力よりも数を打ち続ける内藤のインローを貰い続け、知花の左ももは真っ赤だ。
試合時間は残り30秒、終始劣勢だった知花がボディへの連打から流れるような攻撃で左のフックを振るうと、内藤がバランスを崩す。解説陣が「効いた効いた」と声を上げるなか、内藤と知花の打ち合いが始まった。
一発が重い知花に対し、内藤はミドルやパンチの連打で応戦。視聴者からは内藤に対して「打ち合いに付き合わないほうがいい」といった声も聞こえる中、残り10秒を切った。
すると、それまで下がることの多かった知花がいきなり前に出て強烈な連打。さらに打ち終わりの強烈な左フックが内藤のアゴを打ち抜くと、真っすぐに崩れ落ちた内藤は立ち上がれず、レフェリーに抱え込まれるようにゴングを聞いた。
3ラウンド2分59秒、残り1秒で逆転を許した内藤は天を仰ぎ、悔しそうな表情を浮かべた。ほぼ試合を手中に収めていたにも関わらずKO負け。内藤には厳しすぎる残り1秒の幕切れに、原口は「内藤選手はちょっと油断したかもしれないですね」と指摘。これに直樹も「自分のペースで試合ができたから油断しちゃった部分はあるかもしれないですね。あのままローの距離で戦っていたら良かったのですが、知花選手は一発を狙っていたんじゃないですか」と最後まで試合を諦めなかった知花を称賛した。