黒い思考のデジタル派雀士が、白い牌の裸単騎という大胆な勝負に打って出た。12月24日に行われたプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」第1試合の南1局、U-NEXT Pirates・石橋伸洋（最高位戦）が4副露の末に白での裸単騎待ちを敢行。視聴者から「さすがのエンターテイナー」「ホワイトクリスマスきたあああ」と喝采が送られた。
赤ドラ切りリーチや役満・大三元に立ち向かうリーチなど、今シーズンはこれまで以上に大胆不敵なプレーの数々を披露してMリーグを沸かせている石橋。“黒いデジタル”というキャッチフレーズに加えて“キング”という愛称もすっかり定着し、全局参加型の積極的な雀風や多彩な戦術の虜になるファンが続出している。
序盤の4連続アガリで赤坂ドリブンズ・村上淳（最高位戦）が大きく抜け出し、縦長の展開となった24日の第1試合。TEAM雷電・黒沢咲（連盟）の親番の南1局、3着目からトップを目指す石橋は、やや苦しい配牌から2巡目に9筒をポン。この意外な仕掛けの意図について、解説の渋川難波（協会）は「ここでラス目の黒沢選手の親を流せば、自分の4着率はかなり下がるじゃないですか。手は悪いんですが、ぼーっと見ているとリーチが来て4000オールで逆転されてしまう。多少のリスクを負ってでも行こう、ということですね」と説明した。
さらに役牌の發をポンし、序盤で2副露となった石橋。なお手牌は苦しい形だったが、渋川は「うまくいくと対々和とかにもなる」と予言した。すると捨て牌が2段目に入った中盤、石橋は対子になっていた一万と二万を立て続けにポン。渋川の予言通り対々和のテンパイに成功し、場に1枚も見えていない白の裸単騎待ちに構えた。
Mリーグではなかなか見ることのない裸単騎に、視聴者コメント欄は「うおおおおお」「さすがのエンターテイナー」「祭りだ祭りだ」「久々に見たｗ」「キングたる所以」「スクショタイム笑」「石橋最高やｗ」「キングの麻雀は面白いんです！」と拍手喝采の嵐。クリスマスイブ、しかも雪を連想させる白の単騎待ちというシチュエーションも手伝って、「ホワイトクリスマスきたあああ」「これはメリクリ」「ホワイトクリスマスで草」といった風流なコメントも相次いで寄せられた。
しかし無情にも白は親の黒沢の手に暗刻。テンパイから3巡後、ドラの6索をツモった石橋は白に見切りをつけるも、この6索も純カラかつ村上の当たり牌という厳しい状況に追い込まれた。最終的に南1局は3者の間隙を縫ったKONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり（連盟）がツモアガリ。裸単騎の対々和炸裂とはならなかった石橋だが、南3局から驚異の粘りを見せ、トップの高宮には届かなかったものの村上を追い抜いて2着に食い込んでみせた。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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