奢り知らずの超一流棋士 豊島将之竜王、4強時代を考える「トップレベルの方についていきたい」
番組をみる »

 将棋界の最高峰タイトル・竜王を保持し、序列では2位にいる豊島将之竜王(叡王、30)。12月にはタイトル100期を目指していた羽生善治九段(50)の挑戦を退け、自身初のタイトル防衛を果たした。誰もが認める超一流棋士だが、本人にはまるで奢りがない。「やっぱり(序列が)上の方と対戦する時に課題がたくさん見えてきます。いろいろ修正しないと、これから厳しい状況になります」と、口から危機感しか出てこないほどだ。新型コロナウイルスに揺れた中、二冠保持者として活躍したが、豊島竜王はまもなく迎える新たな年に何を求めるのか。

【動画】豊島竜王が羽生九段の勝利 名人挑戦権争いに追走

 序列1位にいる渡辺明名人(棋王、王将、36)、藤井聡太二冠(18)、永瀬拓矢王座(28)というタイトルホルダー4人が、上位リーグやタイトルをかけた番勝負で頻繁に活躍したことで、将棋界では「4強時代」という言葉も見受けられるようになってきた。今年は名人戦が渡辺-豊島、叡王戦が豊島-永瀬、棋聖戦が渡辺-藤井、というカードだったことからもすぐにわかる。また来年1月の王将戦も渡辺-永瀬、という顔合わせだ。

 4人でタイトルを奪い合う状況が続けば、自ずと同じ相手との対戦は増えてくる。これまでの歴史を振り返っても、ライバルと言われる棋士が2人、3人と存在し、毎回のようにタイトル戦に出場するということが繰り返されてきた。当然、対戦の機会が増えれば、手の内も知られてくる。「変化していかないと、厳しくなってくるというのはありますね」と、現状維持で許される期間など実に短い。

 戦型のトレンドも、この4人が生んでいく可能性も大いにある。ソフトでの研究に熱心であることでも有名な豊島竜王だが「ソフトがどういった手を示すかもありますし、タイトル戦でどういうカードが組まれるかで、トレンドが変わることもあります」と答えた。その時、一番強いとされる棋士同士がぶつかるのがタイトル戦。その戦型が最高レベルで優秀であるのも納得だ。単なる勝敗だけでなく、多くの棋士に影響を与える。それが超一流棋士だ。

 憧れや目標にもなる豊島名人だが、他の3人のタイトルホルダーに対して、リスペクトを持って見ている。「渡辺さん、永瀬さん、藤井さんの3人が非常に手強いというか、実際に指しても対局を見ても、非常に高いレベルで安定されている。そういうトップレベルの方についていきたいですね」と、頭一つ抜けるというよりも、食らいつくという挑戦者の気持ちを忘れない。この3人を下して優勝したJT日本シリーズ プロ公式戦の会見では、珍しく達成感を滲ませるコメントを残した。ただ、その喜びもその日限り。今はもう、次なる戦いに備えて黙々と駒を見つめているだろう。

順位戦 A級 第6回戦 豊島将之竜王 対 羽生善治九段
順位戦 A級 第6回戦 豊島将之竜王 対 羽生善治九段
第33期 竜王戦 七番勝負 第五局 2日目 豊島将之竜王 対 羽生善治九段
第33期 竜王戦 七番勝負 第五局 2日目 豊島将之竜王 対 羽生善治九段
豊島竜王、勝利の砂むし風呂!佐々木勇気七段も参戦!
豊島竜王、勝利の砂むし風呂!佐々木勇気七段も参戦!