フットサル選手、岡村康平のゴールは、言葉で形容できない、何か見えない力が働いたような気がした。
 出場時間は、主力より圧倒的に少ない。何試合もメンバー外になった。ゴール前でプレーする選手でありながら、シーズンは折り返したにもかかわらず13試合で得点ゼロ。文字通り、苦しい日々を過ごしてきた。
 それでも、長くお世話になった先輩の訃報を知った翌日のピッチで不甲斐ないプレーをするわけにはいかない。味方のこぼれ球に反応して、倒れ込みながら放ったアクロバティックなボレーシュートには魂が込められていた。