副露率は全30選手中もっとも低い8%。超メンゼン派として知られる“セレブ”は、最後まで自らのスタイルを貫いた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月5日の第2試合で、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)が自身5勝目となるトップを獲得した。
この試合の対局者は黒沢、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)の並びでスタート。初戦で瀬戸熊直樹(連盟)が悔しいラスに沈んだTEAM雷電にとっては、セミファイナル進出に向けたボーダー争いから抜け出すために是が非でもトップが欲しい一戦だ。
しかしどんな状況であっても、鳴きをほとんど使わずじっくりと手を作る黒沢の麻雀がブレることはなかった。東3局には、セミファイナル進出を争う直接のライバルであり、トップ目を快走していた小林からリーチ・赤・裏ドラの5200点を直撃。六万待ちで即リーチを打たず、“セレブ”らしくゆったりと1巡待って盲点になりやすい四万待ちリーチとする選択が見事に決まった一局となった。
南1局1本場にリーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤の1万2000点(+300点、供託1000点)をアガり、平常運転の“鳴き0回”のままトップ目で迎えたオーラス。アガればトップの黒沢は、役牌の白が対子という配牌に恵まれる。解説の渋川難波(協会)も「この白はさすがに鳴くでしょう」と語ったものの、黒沢は場に放たれた1枚目の白をさらりとスルー。これには実況の小林未沙も思わず「ええっ!?」と驚きの声を上げ、視聴者コメント欄にも「マジで?」「うそやろ」と衝撃が広がった。
仮にトップを失えば物議を醸しそうなこの判断。しかし黒沢は「オーラスでああいう状況じゃなければ絶対に鳴かない牌なので、自分の麻雀を打ち切ろうと。まくられたらごめんなさい!と思いながら打ってました」と潔く覚悟を決めていた。その後、メンゼンですくすくと手を育てた黒沢は、二階堂のリーチに対応した小林が切った2枚目の白をポンしてテンパイ。直後に二階堂からこぼれた5索を打ち取り、白・赤・ドラの3900点(+600点、供託2000点)でゲームセットとなった。
対局を見届けた解説の渋川は「黒沢選手はやっぱり鳴いたらアガりますね」とコメント。めったに仕掛けを入れない黒沢だからこそ、いざ鳴いた際の精度の高さも相当なレベルにあると分析した。また半荘を通じて放銃0回という安定した守備力も光っており、Mリーグで好結果を残し続ける“セレブ麻雀”の強みを存分に発揮。己を貫きながら大きな1勝をもぎ取った黒沢に、ファンも「かっこよすぎる」「魅せてくれた」「ぶれないのは強い」「さすがセレブ」「本当に凄い」とあらためて感嘆していた。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)4万3400点/+63.4
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万1600点/+1.6
3着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万1000点/▲19.0
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万4000点/▲46.0
【1月5日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +340.9(52/90)
2位 渋谷ABEMAS +270.7(52/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +75.3(52/90)
4位 KADOKAWAサクラナイツ +9.6(52/90)
5位 TEAM雷電 ▲62.4(52/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲110.1(52/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲174.0(52/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲350.0(52/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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