チームメイトの悔しい敗北を、次の試合で帳消しにする。今シーズン何度も繰り返されてきたデジャブのようなシーンが、この日も鮮やかに再演された。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月7日の第2試合で、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)が個人7勝目を獲得。オーラスに一度は逆転を許しながらも、ドラマチックな再逆転を決めて前回出場時のインタビューで予告したトップをもぎ取った。
この試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)、茅森、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)の並びでスタート。第1試合でトップの松本、2着の沢崎がそれぞれ連投となった。一方で和久津晶(連盟)が箱下ラスを喫し、マイナス400ポイントを超える最下位と窮地に追い込まれたセガサミーフェニックスは、幾度となくチームのピンチを救ってきた茅森にリベンジを託した。
4着に終わった5日の第2試合終了後、本気とも冗談ともつかない口ぶりで「次はトップなんで大丈夫です」と予告していた茅森。もしふたたびラスとなれば、いよいよセミファイナル進出が危ぶまれる状況となるシチュエーションながら、「プレッシャーはなかったです」と飄々としたキャラクターはこの日も健在。絶妙な押し引きで放銃を回避しつつ、東1局の4000点、東4局の5200点と小刻みに点棒を重ねていった。
南2局にはMリーグ初となるレア役・二盃口を完成させ、ダマテンでタンヤオ・平和・二盃口・赤・ドラ2の1万6000点を加点。持ち点は5万点超とトップは安泰かと思われたが、南4局に絶好調の松本が猛連荘。3万点超のビハインドを覆し、4本場のアガリでついに茅森を逆転してトップ目に立った。
しかし決して勝負を急がず、失点を最小限に抑えていた茅森は、オーラス5本場に土俵際のうっちゃりを見せる。2300点差の松本とのめくり合いを制し、終盤にタンヤオ・赤の2000点(+1500点)をツモアガリ。しびれる展開にも冷静さを失わない強いハートと、チームが苦しい時に必ず結果を出すヒーローぶりに、視聴者も「かっけえええええ」「天才すぎる」「このメンタルの強さよ」「ほんと頼りになる」「ピンチ◎だわ」と感嘆するほかない様子だった。
第1試合のラスを補って余りある茅森のトップで、1日の収支をプラスでまとめたセガサミーフェニックス。最下位という苦しい状況は続いているが、有言実行の茅森がインタビューで言い放った「これからどんどん上がっていきますので、みなさんも諦めずに応援してください!」という力強いメッセージは、必ずファンの心に響いたはずだ。
【第2試合結果】
1着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)4万8400点/+68.4
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)4万5700点/+25.7
3着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)1万2500点/▲27.5
4着 U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)-6600点/▲66.6
【1月7日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +371.4(54/90)
2位 EX風林火山 +340.9(52/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +75.3(52/90)
4位 KADOKAWAサクラナイツ ▲6.0(54/90)
5位 TEAM雷電 ▲62.4(52/90)
6位 赤坂ドリブンズ ▲174.0(52/90)
7位 U-NEXT Pirates ▲203.4(54/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲341.8(54/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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