2021年1月9日からスタートする体内細胞擬人化アニメ「はたらく細胞!!」。好評だった第1期からテレビには約2年ぶりの登場となるが、先んじて9月に第2期の先行上映版となる『「はたらく細胞!!」最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』が劇場上映され、映画館で見たファンの細胞をおもしろさや楽しさで活性化させることに成功した。初登場の乳酸菌、第1期でも激闘を繰り広げたがん細胞など、個性豊かなキャラクターも登場する第2期だが、放送前に赤血球役の花澤香菜、白血球(好中球)役の前野智昭、血小板役の長縄まりあにインタビューを実施。キャスト内に訪れた「乳酸菌ブーム」や、特別上映版で得た手応え、見どころなどを聞いた。
―9月の特別上映版は好評となりました。振り返って手応え、思い出などをお願いします。
花澤香菜(以下、花澤)
映画館でお客さんを入れない形での舞台挨拶というのを初めてやりました。でも、ライブビューイングでたくさんの方が見てくださっているというのはわかっていたので、すごくうれしいことだと思いましたし、あの特別上映版で、きっとみんな「乳酸菌を取らなきゃ!」って思いましたよね(笑) あの時期に、みんなに体と向き合う時間を作っていただけたのは、すごくよいことだったんじゃないかなと思います。乳酸菌ちゃんはあんなにかわいいし、より乳酸菌を体に取り入れようという気持ちになりますよね。
長縄まりあ(以下、長縄)
結構地元の友人たちも見に行ってくれていて、「見たよ!」という連絡をもらえてうれしかったです。あと、乳酸菌に影響を受けていたらしくて「ヨーグルト買ったよ」みたいな写真とかもくれたりしました(笑) 何より私も乳酸菌入りのものを買うようになりましたね。作品を通じて勉強になりましたし、お母さんに自慢げに「乳酸菌はねっ!」って説明したりしちゃいました。
―演じられた血小板については今回、ショートアニメもありました。
長縄
映画館で見たのですが、いつもは赤血球のお姉ちゃんや白血球のお兄さんと一緒のところ、血小板ちゃんだけがしゃべっているのが初めてだったので、緊張しました!大丈夫かな~って。
花澤
映画館と血小板ちゃんの相性、抜群だったよね。ポップコーン!
前野智昭(以下、前野)
ねー!かわいかった。ポップコーン、食べたくなるよね。
花澤
(劇中で)ポップコーンを食べている血小板ちゃん。あの容器の大きさも相まって、かわいいですね。
―前野さんはいかがでしたか。
前野
友達だったり親族だったり、身近でも見に行ってくださった方が非常に多くて、おもしろかったという反応を直接もらいました。僕自身も作品をきっかけに、ほぼ毎日乳酸菌飲料を飲むようになるぐらい、かなり影響を受けましたね。非常にテンポ感もいい作品で、こういう世の中になる前に収録を終えることができていたのは、作品の持つ運の良さも感じましたし、こういうご時世だからこそ、いろいろな方に見ていただいて、元気になっていただければいいなと思います。
―第1期を演じた際も体に気をつけるようになったとおっしゃっていました。乳酸菌もそうなんですね。
前野
体に入れていい菌という菌は取り入れるようになりましたね(笑) 納豆とかも、絶対に体にいいんだろうと。ライフスタイルは、かなり変わりましたね。
花澤
私、「体に良さそう」っていうだけで買っている大きなペットボトルの酵素ドリンクを毎日飲んでいるんですけど、そこにしっかり乳酸菌と書いてあって、「あ、知らないうちに取ってたんだ!」と思いましたね(笑)
前野
おー、素晴らしい!
花澤
サプリメントで取れるビタミンとか、取れるものは取っておこうと思うようになりました。なかなか食材に多く入っていないビタミンなどもあるじゃないですか。そういうものをサプリで取るようになりましたね。
―珍しい試みとして、先に特別上映版を見てもらってからの第2期になります。
前野
1話、2話、3話という序盤をみなさんに初めてお届けする形になるので、非常に新しい試みでおもしろい作りでよすね。劇場に足を運んでいただいた方、劇場ではご覧になれなかった方、両方楽しんでいただける形になっていると思います。特別上映版でもいろいろなキャラクターが活躍しましたが、それ以外のキャラクターに焦点を当てたお話もあるので、新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
長縄
先ほど1話を見たんですけど、(血小板の一人)うしろまえちゃんがピックアップされていて。うしろまえちゃんとリーダーちゃんの関係だったり、そのほかの血小板ちゃんや巨核球さんとの関係だったり。血小板ちゃんたちが体を張って、ちっちゃいからこそ頑張っているところが見られてうれしくなりました。だからアニメを見て、より血小板ちゃんのことを好きになってほしいですね。
花澤
“血小板ちゃんガヤ”を取る時、「せーの!」でやるよね。一斉に子供の声がするのは、一体感があるんです。私もやってるんですよ、あれ。
前野
女性陣全員でやるからね。
花澤
私も血小板ちゃんになれるんです(笑) うれしいですよ、一員になれるのは。
―では、最後に注目してほしいキャラクターやポイントなどがあればお願いします。
花澤
ダイナミックに細胞たちが動くところ、細かく向こうの向こうまで、細胞たちが働いているところが見えるので、あれを大きいスクリーンで見てもらうというのは、すごくやってほしかったんです。第2期も映像クオリティが高くて見応えがあります。あとはやっぱりがん細胞との戦いですよね。むちゃくちゃ戦闘シーンがダイナミックで、内容も一つの長編ストーリーとして、みなさんに見ていただけたのはすごくよかったと思います。第1期が終わってもみんなが「はたらく細胞!!」を忘れずにいてくれるのはうれしいことだなと思います。
前野
もちろん乳酸菌とがん細胞は、キーになるキャラクターだと思いますし、これまで登場してきたキャラクターたちも非常に存在感を発揮しています。第2期に登場する細菌たちのキャラクターもユニークなものが多いので、いろいろなキャラに感情移入できるようになっていると思います。独特な存在感があって、物語を豊かに彩ってくれていると思います。
長縄
私は一般細胞さんがすごく好きなんです。「僕だって力になりたい!」という気持ちを持っていて。「一般」だから、いっぱいいる細胞さんなんですけど、その細胞さんが白血球さんと一緒に大きな敵に立ち向かったり、体を守るために成し遂げるストーリーを見て「あっ!こんな私でも何かできるかな!」と改めて一般細胞さんに勇気をもらいました。
花澤
細菌たちの魅力ですよね。1話からかわいい細菌が出てくるんですよ。なので、すごく楽しみにしていてほしいですね。キャラクターだと樹状細胞さんがおすすめです。第1期から何かあるなという感じはしていたんですけど、第2期は「こうなるのか!」という驚きがあります。樹状細胞さんはいたずら心というか、ちょっと人をもてあそぶ系の楽しみ方をするんですよ(笑) それを見ていて「ああ、ちょっと闇があるな」と思ったりなんかして。傍から見ている分にはすごくおもしろいと思いますよ。
◆はたらく細胞!! 2015年から月刊少年シリウスで連載された、清水茜による漫画のアニメ化作品。2018年8月にTVアニメ第1期が放送された。赤血球、白血球(好中球)を中心に、体内の細胞たちがどのように働いているか、また外部から入ってきた細菌などとどう戦うかなどが描かれている。スピンオフ作品も連載中で、TVアニメ第2期は2021年1月9日にスタート。同時期から、喫煙・睡眠不足などにより過酷になった体内環境を描いたアニメ「はたらく細胞BLACK」も放送される。
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