今冬一番の寒気が東京を襲った夜、しかし試合会場はこの男を中心に、熱気を帯びる一方だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月8日の第1試合で、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)が顔面を真っ赤にして奮闘、自身9試合ぶりのトップで、チームに待望のプラスをもたらした。
この試合の対局者は村上、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)の並びでスタート。村上は東4局1本場、リーチ・赤・ドラ・裏ドラ2の8000点(+300点、供託1000点)を滝沢からアガり、先行していた黒沢へ肉薄した。
自力で親を持ってきた村上は南1局、リーチ・タンヤオ・平和を、佐々木とのメクりあいを制してアガってトップ目へ。その後、黒沢に再逆転を許したが、南3局に渾身の気迫で一人テンパイ。1牌ツモるごとに深く息を吐き、時に腕を組み、天を見上げる村上の頬は紅潮し続けた。オーラスは極限の集中の中で、イーシャンテン時の難しい選択を見事に正答し、「負けて悔いなし」と腹を括れる筒子の3面張でリーチ。こうなると表情はさらに赤味を増していく。この手をラス親の佐々木からアガって、村上はまた大きく息を吐き、今期6勝目を獲得した。
インタビューに村上は、試合中に紅潮した表情そのままで現れた。それを見た視聴者からはトップを祝う言葉と同時に「顔アッカ」「村上、顔赤過ぎだろう」「トナカイ?」「ゆでだこ」「かわいいんやがw」といったコメントも多数投稿された。
直近の数試合では、“リーチ超人”の異名そのままに渾身のリーチをかけ続けるも、展開に恵まれずトップを逃し続けていた村上。「チームメイトや関係者、ファンの皆様をがっかりさせ続けてきたので…」と、久しぶりの勝利に万感の思いを込めていた。またこの日は滝沢と佐々木の“タキヒサ”対決に注目があったが、「彼らが麻雀界を盛り上げてくれていることは本当にありがたいなと思っている」としながらも「麻雀だけは負けないぞと思っているので」と、業界発展のために力を合わせる盟友でありながら、土俵に上がれば倒すのみといった気概も口にした。
この試合で村上は、個人成績で上位にいる佐々木とトップラスを決めて4位浮上。MVP級の活躍を見せた昨年に続き、今年もチームをけん引する。最後は緊急事態宣言下で開催されているリーグについて、戦う場があることを感謝しつつ「セミファイナルへ向けてどんどん熱くなっていきますので、ご視聴よろしくお願いします!」と、最後まで顔を紅潮させ、ファンへさらなる奮闘を誓った。都内では今後も氷点下となる予報が聞こえてくる中で、村上のボルテージは高まる一方だ。
【第1試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)4万6200点/+66.2
2着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)4万2600点/+22.6
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)2万1300点/▲18.7
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)▲1万100点/▲70.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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