プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月14日の第1試合で、EX風林火山・勝又健志(連盟)が今期5勝目を挙げた。直近2戦はまさかの連続ラス。それでもチームの頼れる軍師は「(連敗は)忘れてました」と“忘却力”を発揮し、7万点超えの大トップでマイナスを帳消しにしてみせた。
この試合の対局者はU-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、勝又、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)の並びでスタート。11日に連投した勝又は、第1試合、第2試合ともに上位と僅差の4着という悔しい結果に終わっており、中2日での3連投というローテーションでリベンジに臨むことになった。
連敗後ということもあり、否が応でもマイナスを払拭しようと力んでしまいそうな状況。だが、勝又は「気合が入っちゃうと良くない。いつも通りの麻雀を打てるように」と至って冷静沈着だった。高打点を狙って大きく振りかぶるのではなく、ダマテンと鳴きを駆使して地道に点棒を積み重ねていく。
親番の東2局、まずはダマテンの七対子で2400点を加点すると、流局を挟んだ同2本場では6巡目に3面張の形から2索をチーしてテンパイを取る。メンゼンでの高打点を捨てて確実なアガリを追い求める勝又の選択に、解説を務めていた渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)も「激辛チーじゃないですか!」と仰天。直後にタンヤオ・赤・ドラの5800点(+600点、供託1000点)を村上から直撃したこの場面について、勝又は「できればメンゼンで行きたいですが、ぶつかって負けたら4着まである。アガっておけばラスはないかな、と思ったので手堅く行きました」と“激辛流”の思考を解説した。
その後も勝又は東4局1本場にダマテンの8000点(+300点、1000点)、親番の南2局は副露を入れた5800点、同1本場はダマテンの1万8000点(+300点)と、リーチをかけずに次々と大きなアガリをものにしていく。勢いに乗った同2本場には一転してペンチャン待ちでリーチをかけ、リーチ・一発・ツモ・ドラ2の1万2000点(+600点)でトップをほぼ手中に収めた。
オーラスにも三色同順・赤・ドラの8000点(+供託1000点)を加点し、7回のアガリで最終持ち点7万6000点の圧勝を決めた勝又。直近2試合の合計マイナスは78.9、この試合でのプラスは96.0と、連続ラスを補って余りある会心のトップに、インタビューでは「(連敗は)忘れてました。もう全然気にせず、のびのびとやってました」と笑顔で答える余裕も見せた。長期戦のMリーグを戦うにあたって、チーム・個人ともに結果が出ない我慢の時期は必ず訪れるもの。直近の成績にとらわれ過ぎず、負のイメージを引きずらない“忘却力”を発揮できていることが、今期のEX風林火山の安定した強さの要因なのかもしれない。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・勝又健志(連盟)7万6000点/+96.0
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)2万5100点/+5.1
3着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)4800点/▲35.2
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)-5900点/▲65.9
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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