藤井聡太王位・棋聖が“7度目の正直”豊島将之竜王に初勝利 3度目の優勝へベスト4進出/将棋・朝日杯
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 将棋の朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント2回戦が1月17日に行われ、藤井聡太王位・棋聖(18)が豊島将之竜王(叡王、30)に94手で勝利した。藤井王位・棋聖は、これまで豊島竜王にデビュー以来6連敗していたが、今回が初勝利。同棋戦3度目の優勝に向けて4年連続でのベスト4入りを果たした。準決勝では渡辺明名人(棋王、王将、36)と対戦する。

【中継】朝日杯本戦 豊島竜王-藤井王位・棋聖

 藤井王位・棋聖にとっては、2021年初となるタイトルホルダー同士の対決で、また一つ大きな壁を乗り越えた。同じ愛知出身の豊島竜王には、非公式戦でこそ勝利したことはあったが、公式戦では0勝6敗と明確に差をつけられていた。対局内容こそ、最終盤まで勝敗がもつれ込む大接戦になったこともあったが、あと少し足りず、または逆転を許すことが続いていた。

 “7度目の正直”を狙って選んだ戦型は、両者得意の角換わり。後手の藤井王位・棋聖が早繰り銀、先手の豊島竜王が腰掛け銀で戦いが始まると、早々と戦いが始まるスピーディな展開に。研究も進んでいるのか、序盤はほとんど持ち時間を使わず駒がぶつかりだした。互角の中盤を経て、終盤に入り両者1分将棋になっても難解な局面と選択が繰り返される熱戦に。最終盤では2人の間で形勢が二転三転する大激戦になったが、最後は藤井王位・棋聖がわずかに抜け出し、ついに勝利を収めた。

 対局後、藤井王位・棋聖は大盤解説の会場に移った後、ファンの前で「積極的に攻めていくつもりでいました。最後、攻め合いにいったんですけど、際どいと思っていました」と熱戦を思い返していた。また「豊島竜王との対戦はとても楽しみでした。自分なりに精一杯指せたのはよかったです。(次局)渡辺名人もとても強敵ですが、いい将棋をお見せできればと思います」と、力強く先を見据えていた。

 2020年には最年少タイトル、さらに二冠・八段昇段も果たした藤井王位・棋聖。タイトルホルダーが4人であることから「4強時代」とも呼ばれ始めている中、二冠を保持する豊島竜王から新年早々に勝利を得られたのは大きな一歩。次局、三冠保持者の渡辺名人との準決勝を制し、3度目の優勝に王手をかけるようなことがあれば、2021年はさらなるタイトル獲得、棋戦優勝と大活躍を予感させることになる。

◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。2017年度、2018年度に藤井聡太王位・棋聖が2連覇している棋戦としても知られている。
ABEMA/将棋チャンネルより)

朝日杯本戦 豊島竜王-藤井王位・棋聖
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