1月17日に行われた朝日杯将棋オープン戦、本戦トーナメント準々決勝。豊島将之竜王(叡王、30)と藤井聡太王位・棋聖(18)のタイトルホルダー対決は、藤井王位・棋聖が激戦を制し、準決勝進出を果たした。最終盤には形勢が二転三転する大熱戦に。7度目の対決で初めて勝利した藤井王位・棋聖だが、86手目にひねり出した切れ味抜群の一手は、勝負の明暗を分けるものだった。この一手を、わずか8秒で理解し、解説したのがタイトル経験者・高見泰地七段(27)。その対応の早さに視聴者からも絶賛の声が相次いだ。
【動画】藤井聡太王位・棋聖、勝負の一手(6時間10分ごろ~)
優勢のまま終盤を迎えていた藤井王位・棋聖。ところが最終盤で豊島竜王の反撃にあい、逆転を許して大詰めを迎えていた。どちらの玉に耐久力があるか。そんなしびれる局面で飛び出したのが、その一手だった。一見、直接的に豊島玉に働きかけるものでもなく、この切羽詰まった状況で指すものに見えないかもしれない。ABEMAで解説していた高見七段も、指された瞬間「ひえー」と声を漏らしたが、続いて「怪しいけど…これ…なるほど」と、秒単位で頭を回転させ、その手の意味を把握していった。
そして指し手から8秒後。「さすが藤井さん。さすがですね、意味がわかりました。パッと見、詰まなそうですけど。手数が長いですけど詰みですね。よくこういうのが1分(将棋)でできるなと。これが『詰めろ』で入るのか」と、感心しながら大盤で詰みまでの手順を解説していった。
実際に言われてみれば、「あ、そうなっているのか」と目から鱗が落ちるのが将棋の世界。詰み筋が明らかになるにつれて、視聴者からは「あれが詰めろって感覚が凄すぎる」「たかみー一瞬で読んだな!」「さすがタイトル経験者スゲー」「プロはすごいな」と、驚きの声が続いた。指された豊島竜王もしっかり読んだか、直後の一手は対応したが、さらに次の手の対応から形勢が再逆転。そこから藤井王位・棋聖が勝利へと突き進んだ。対局者だけでなく、解説の棋士の実力も明らかにする。一流棋士だからこそ起きた瞬間だった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)








