プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月21日の第2試合で、渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）が昨年11月26日以来の個人4勝目を獲得し、同チームはリーグ記録を更新する＋589.2ポイントに到達。レギュラーシーズンはこの日から残り3分の1の終盤戦がスタートしたばかりにも関わらず、早くもセミファイナル進出が濃厚という声が続出し始めた。
この試合の対局者はEX風林火山・滝沢和典（連盟）、赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）、多井、TEAM雷電・萩原聖人（連盟）の並びでスタート。第1試合で2着だった滝沢が連投での出場となったほか、渋谷ABEMASは独走態勢をさらに盤石なものとするべく、トップを獲得した日向藍子（最高位戦）から絶対的なエースである多井へのリレーで同日2連勝を狙った。
意外にも、Mリーグでは2カ月ほど勝利から遠ざかっていた多井。とはいえ直近4戦でいずれも2着と安定感は際立っており、昨年12月13日には国内最大級のプロアマ参加の麻雀大会「麻雀最強戦2020」で初優勝と、“最速最強”の麻雀はますます研ぎ澄まされている。インタビューで「松本吉弘さんの陰に隠れて生きてました」とジョークを飛ばしたように絶好調のチームメイトを立てつつも、「しばらく取ってないわと思って、ちょっと頑張りました」と試合前からトップを強く意識していたようだ。
萩原、滝沢とのリーチ合戦を制してリーチ・タンヤオ・赤・裏ドラの8000点（＋供託2000点）をアガった東1局を皮切りに、東3局のリーチ・ツモ・タンヤオ・平和の5200点、東4局の白・ドラ2の4000点と、多井は着実にリードを広げていく。一時は園田に詰め寄られたものの、鋼鉄のような守備力を活かした先行逃げ切りは多井の真骨頂。半荘を通じての放銃は当然のように0回、東1局からオーラスまで一度もトップ目を譲らない横綱相撲を披露し、解説を務めた渋川難波（協会）も「点棒を持ったら危うい場面に一切顔を出さない。安定感がすごいです」と感嘆するほかなかった。
また実況の松嶋桃（協会）は「これまでのレギュラーシーズンの瞬間最高ポイントは2019シーズンのセガサミーフェニックスの536.8ポイント」という記録を紹介した。多井の勝利で589.2ポイントに到達した渋谷ABEMASは同記録も更新し、仮に残り28試合で1試合平均20ポイントを失ったとしてもマイナス域に転落しない盤石のリードを構築。解説の渋川は「さすがにもう敗退しないですね。ここから7位、8位になることはほぼないと言っていい」とセミファイナル進出は当確だと太鼓判を押した。
チームの大黒柱である多井も、試合後のインタビューでセミファイナル以降の戦いに言及。「セミファイナル、ファイナルと、もう一度どこかで気を引き締めるところがきっと来る。皆さんが安心して見ていられるような多井隆晴でいたいと思います」と次のステージを見据えて、さらなる研鑽を誓っていた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）4万4200点／＋64.2
2着 赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）2万6200点／＋6.2
3着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）2万1700点／▲18.3
4着 EX風林火山・滝沢和典（連盟）7900点／▲52.1
【1月21日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋589.2（62/90）
2位 EX風林火山 ＋261.4（62/90）
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋63.8（60/90）
4位 TEAM雷電 ▲52.5（62/90）
5位 赤坂ドリブンズ ▲109.1（62/90）
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲129.9（60/90）
7位 セガサミーフェニックス ▲267.9（60/90）
8位 U-NEXT Pirates ▲355.0（60/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
