緊急事態宣言が発出され、国会では入院拒否者らへの刑事罰が議論される中、国会議員が夜の会食に参加していたことが次々と明るみに出ている。
・【映像】なぜ夜の会食をやめられない?自宅の稲田議員にリモートで質問
今週に入ってからも、自民党の松本純国対委員長代理、そして公明党の遠山清彦幹事長代理が銀座のクラブで飲食していたことが判明した。28日に行われた自民党麻生派の会合で麻生財務大臣は「松本純の行動につきまして、これは緊急事態宣言が発令をされ、はなはだ不適切、本人にも猛省を促した」と発言。ちなみにこの総会の司会は、松本国対委員長代理その人だった。
■「仲間を作るためというような意味合いが強い」
飲食店への営業時間の短縮要請、国民への外出自粛要請が出される中での政治家の夜の会食。EXITのりんたろー。は。「今でも“ご飯行こうよ”って夜の会食に誘ってくる人って、おじさんばっかり。若い子は飲みはプライベートで、と分けていると思うけど、やっぱりお酒を飲みながら仕事を円滑にするっていう文化が根付いていると感じるし、それは政治も同じなのかな」と話す。
自身も以前は毎日のように会食のスケジュールがあったと明かす自民党・前幹事長代行の稲田朋美衆議院議員は、夜の会食の意味について次のように説明する。
「先輩から誘われて断れないような、いわば“付き合い“の場合もあれば、本当に親密な感じの場合もある。ただ、一口に会食といっても、いろいろなものがある。例えばお酒を飲まれない菅総理もやられているが、朝ご飯やお昼ごはんを食べながら有識者とお話をして勉強するケースの場合、夜の会食とは少し趣旨が違う。夜の場合でも濃密で有益な議論をすることもあるが、戦略や政策を練るためというよりは、仲間を作るためというような意味合いが強い。そして、お酒が入ると長くなったりする」。
■「早く家に帰るようになって、むしろ充実しているとさえ感じる」
国会議員への取材経験もあるテレビ朝日のテレビ朝日の平石直之アナウンサーは「ぶっちゃけて言えば、物事が国会ではなく夜の会食で決まる、いわゆる“料亭政治”が今も行われているということなのではないだろうか。取材をしていて思うのは、“やるか、やられるか”というのが政治家の世界だということだ。だから裏切りに遭わないよう、頻繁に会って信頼関係を確かめ合う。派閥の会合が定期的に開かれたり、カレーを一緒に食べたりするのも、それが目的だろう。そういう中で幹部たちが決めたことが下りてきて、新聞に載るというではないか」と指摘する。
こうした見方について稲田議員は「私は“料亭政治”を感じたことはないし、むしろ皆さんにそう思われてしまっているというのは、よろしくないことだと思う」と反論する。
「確かに何度も会えば親密にはなるし、賛成か反対かを決める上では、政策の中身と同じくらい人間関係が重要だったりもする。夜の会食も、そのためにある。しかし果たしてそれが日本にとっていいことなのだろうか。私自身は緊急事態宣言に入ってからは夜の会食はせず、早く帰るようにした。家族と過ごせるし、料理や掃除、勉強もできる。朝早く起きてランニングもできる。今もこうやってリモートで出演させてもらっているし、いいことはたくさんある。だからこの状況が辛いとか、我慢しているという感覚は無く、むしろ充実しているとさえ感じる。
ただ、今までは毎晩いろんな人に会っていたので、ちゃんと仲間づくりができているのかな、もしかしたら今ごろ議員宿舎では皆で集まって話をしているのでは、まっすぐ家に帰っていていいのかな…と不安になることもある。だから会食への参加を続けていた議員の方についても、“やっぱりやめられなかったんだな”、という思いだ。それでも“夜は会食で埋まっているのが当たり前”というような政治家の習慣はなくなった方がいいし、そのための機会にした方がいいと思う。実際、昼間にお茶を飲みながら話をする機会は増えているし、地元の人たちともリモートなどの形で繋がれている。こうやってお酒なしで話をしていても楽しいし、知的な面白さもある。仲間だってそれなりに作れると思うし、悪いことばかりではない」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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