(大会後に取材に応じた伊藤代表)

 新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言は、当然ながら格闘技界にも大きな影響をもたらしている。客席数の制限、開催時間の短縮。今回の緊急事態宣言では、大会終了の目安が飲食店の閉店と同じく20時に。外国人選手を招聘することもできない。

 緊急事態宣言は2月7日が期限となっていたが1カ月延長に。プロレスリング・ノアは日本武道館大会(2月12日)の開始時間変更を決め、1月31日の会見で発表した。終了時刻を早めるためだ。その時点では緊急事態宣言の延長は発表されていなかったものの、ビッグマッチとなると設営などに多数の業者が絡む。変更の可能性があるなら、できるだけ早めに決めなくてはいけない。1月末の発表はギリギリのタイミングだったという。

 延期や中止も考えたと語るのはノアの運営会社CyberFightの副社長を務める丸藤正道。2月から3月にかけてビッグマッチを開催する団体はすべて、ノアと同じ悩みを抱えていると言っていいだろう。

 立ち技格闘技イベントRISEは、2月28日に横浜アリーナ大会を控えている。初進出の大会場であり、年間最大のビッグマッチという位置付けの重要な大会だ。メインイベントは那須川天心vs志朗。また原口健飛vsペットパルムノン・キャットムーカオ、寺山日葵vsアイーダ・ルークサイコンディンなど日本人とタイの強豪とのマッチメイクも発表されていた。

 だが“来日不可”の可能性もあり、練習や減量のことを考えれば大会直前の判断では遅すぎる。緊急事態宣言が明けるのか続行か、不透明な状況での大会について、1月30日の後楽園大会後にも伊藤隆代表に取材から質問が飛んだ。外国人絡みのマッチメイクの変更なども考えられるからだ。

 ひとまずその場では発表できることはないとした伊藤代表。ただ近日中に会見を開き、詳細について新たにアナウンスするという。そしてこう付け加えている。

「大会自体は必ずやります。延期も中止もありません」

 RISEは昨年7月、無観客試合を開催。そこに那須川天心も出場して話題を呼んだ。「RISEは動き続ける、止まらない」と宣言し、その後も観客数に制限がある中で頻繁に大会を開催している。

 最大の理由は「選手のためです」と伊藤代表。選手は人生をかけて格闘技に取り組んでいる。その目標を奪うわけにはいかないし、ファイトマネーという生活の糧も必要だ。もちろんスタッフ、関連業者の生活もかかっている。

「RISEはスポーツですけど、イベントとしては娯楽産業。厳しい状態なのは間違いない。だからこそ何かやっていかないと」

 伊藤代表はそう語っている。もちろん、開催は試合を楽しみにしているファンのためでもある。RISEは「やるかやらないか」ではなく「必ずやる。そのために何が必要か」を考える。どのような形での開催になるか、正式な発表を待ちたい。

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