約1カ月の療養期間から無事に復帰を果たした愛すべきヒロインが、苦境に立つチームの救世主となった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月2日の第1試合で、赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)が今期2勝目となるトップを獲得。これ以上なくドラマチックな復活劇がファンの感動を呼んだ。
この試合の対局者は丸山、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)の並びでスタート。注目はやはり、この試合が新型コロナウイルス感染からの復帰戦となった丸山だ。レギュラーシーズンが佳境に入った局面での戦線離脱で、どの選手よりも悔しく、もどかしい思いをしたであろうこの1カ月。その間、初代王者の赤坂ドリブンズはなかなか調子が上向かず、試合前の時点でセミファイナル進出のボーダーラインを下回る7位と苦しい戦いが続いていた。
折しもこの日は、僅差でセミファイナル進出を争うライバルであるセガサミーフェニックスとの直接対決。解説の渋川難波(協会)も「一番の注目は丸山選手です。6位と7位の直接対決で、すごく大事な場面。ここでどんな麻雀を見せてくれるのか」と語るなど、療養からの復帰戦というだけでなく、チームの“育成枠”として出場回数を抑えられてきた丸山の真価が問われる大一番となった。
対局場に丸山が姿を見せて深々とお辞儀をすると、視聴者コメント欄には「まるこおかえりー!」「まるこおおおおお」「待ってたよー」「元気そうでよかった」と復帰を喜ぶファンからのメッセージが無数に寄せられた。熱い声援に背中を押されるように、東1局の親番から丸山は全力疾走。三万待ちで思い切りよく先制リーチを放つと、追っかけリーチの茅森からリーチ・ホウテイ・赤2・ドラ・裏ドラの1万8000点(+供託1000点)を直撃して絶好のスタートを切った。
序盤のリードを守るだけでなく、要所での攻めの姿勢も目立った丸山。南1局には鳴きを入れた手で滝沢のリーチに立ち向かい、中・赤の2900点(+供託1000点)を加点する。さらにラス親の萩原に詰め寄られたオーラスの南4局1本場では、自ら勝負を決めるべく苦しい配牌ながら序盤にダブ南をポン。この覚悟の仕掛けが功を奏し、ダブ南・ドラ2の8000点(+300点、供託1000点)で大きな勝利をつかみ取った。
チームの命運を左右しかねないシビアな状況での復帰戦を制した丸山を、解説の渋川も「救世主になりましたね!」と手放しで称賛。ファンからも「泣きそう」「勇者マルコ!」「よくやったよ本当に」「素晴らしい…」「泣けてきた」といったコメントが殺到した。試合後のインタビューでは、開口一番「とっても嬉しいです!」とはじけるような笑顔を見せた丸山。麻雀を打つことができる喜びを表現するかのように、身振り手振りを交えながら感情豊かに対局を振り返る愛らしい姿に、あらためて多くのファンが魅了されたに違いない。
【第1試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)4万4400点/+64.4
2着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)3万2900点/+12.9
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)1万5400点/▲24.6
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)7300点/▲52.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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