新型コロナ発生源、WHO調査団が「4つの可能性」を提示 “冷凍食品説”にNewsweek日本版・長岡義博氏の見解は
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 新型コロナの発生源などの解明に向け中国・武漢を訪問していたWHO(世界保健機関)の調査団が9日、およそ2週間の調査を終え記者会見を行った。

【映像】中国が主張する“冷凍食品説”の矛盾点

■WHO調査団が提示した新型コロナの発生源「4つの主張」

1:最初にウイルスを宿した野生生物から直接ヒトに感染した。

2:「中間宿主」となる動物を介して、感染した。

3:中国政府が主張した冷凍食品に付着したウイルスから感染した。

4:トランプ前政権が主張していた武漢ウイルス研究所の事故による流出。

 1~3の主張については今後引き続き調査が必要だといい、2の「中間宿主」を介して感染した可能性が最も高いが、3の冷凍食品の包装などを経由して広がった可能性も高いという。4については「可能性は極めて低い」とした上で、今後は調査の対象から外すとしている。

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 このニュースに、中国人民大学に留学経験もあるニューズウィーク日本版編集長・長岡義博氏は「この段階で決定的な証拠を探して結びつけることはかなり難しい」と見解を示す。

「SARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ出血熱など、ウイルスは動物から人間に飛んできて感染するのが基本パターン。だとすれば、新型コロナの発生源も1か2を考えるのが合理的。ただ、SARSの原因がコウモリだとわかるのに10年かかった。2週間の調査で新型コロナの原因がわかるわけがない。既に発生から1年が経っていて、普通に考えたら証拠がない」(以下、長岡義博氏)

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 WHO調査団が提示した「4つの主張」に、ネット上では「中国の主張に沿うような内容になっている」という声も上がっている。

「中国は冷凍食品の包装の表面に新型コロナウイルスがついていて、それが世界中を回り、たまたま輸入された中国で広まったと主張している。しかし、これが本当だとしたら、中国以外の世界の都市で中国と同時期、もしくはその前後にパンデミックが起きていないとおかしい。それが起きていないということは、やはり中国が発生源と考えるのが合理的だろう」

「世界は中国で発生したことを責めているわけではなく、感染が起きたことを隠したり、起きた原因を調べさせなかったりしたことを問題視している。中国にはそこを理解してほしい。列強に侵略された歴史的な背景から、どうしても中国は被害妄想を持ちがち。情報を隠したり、調査団に調べさせないよう制限したりするのもそこが発想の根源になっているが、今回は改めてほしい。改めて調査団を受け入れ、長期間の自由な調査を認めて原因を究明してもらいたい」

 新たな感染の広がりを抑える一歩として、真相解明の調査が求められている。

ABEMA/「ABEMAヒルズ」より)

【映像】見解は? WHO調査団が会見 新型コロナ
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