長年のライバルへの対抗心も、前回の出場で味わった悔しさも、すべての思いを右手に込めて勝利を手繰り寄せた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月11日の第1試合で、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)が今期8勝目を挙げた。
【動画】瀬戸熊直樹、雷鳴轟く“トルネードツモ”(1時間17分ごろ~)
この試合の対局者は渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、瀬戸熊の並びでスタート。瀬戸熊は前回出場した8日の試合でラスを引き、「ふがいない麻雀を打った」と自らの対局内容を猛省。また当日の中継では長年しのぎを削ってきた多井が解説を務めており、友人として、そしてライバルとして叱咤激励のコメントをもらったことへの感謝をブログにつづっていた。
いつも以上に気合の入った表情で対局場に足を踏み入れた瀬戸熊。東1局は珍しく仕掛けを入れ、親番の多井のアガリを阻止する一気通貫・赤の2000点で好スタートを切る。続く東2局は三色同順が確定する絶好の六万引きから先制リーチを放ち、わずか2巡後に3筒をツモり上げてリーチ・ツモ・平和・三色同順・赤・ドラの1万2000点を加点。試合の主導権を完全に握ったかに見えた。
しかしその後は魚谷の1万2000点、園田の1万6000点、そして多井の1万2000点(+供託2000点)と高打点のアガリが乱れ飛び、瀬戸熊は放銃こそないものの点棒を削られて3着目に転落してしまう。南2局に8000点をアガった多井がトップ目として立ちはだかる中で迎えたオーラス、親の瀬戸熊はいち早くテンパイを入れるもリーチせずを選択。風牌の南を暗刻にして納得の行く待ちを探し続け、1・4筒のノベタンを最終形と見て12巡目にリーチを宣言した。
逆転を信じる雷電ファンの願いが届いたのか、瀬戸熊は最後のツモ番でついに4筒を掘り当てる。アガリ牌を卓に叩きつける気迫満点の所作に、実況の日吉辰哉(連盟)は「いたー!叩いた!叩いた!」と絶叫。リーチ・ツモ・南・ドラの1万2000点は土壇場で多井をかわしてトップ目に再浮上する渾身のアガリとなり、ファンからも「熊さんかっこええわ!」「よっしゃああああ」「よくツモった!」「イナズマキター!」「かっけえええええ」と歓喜のコメントが怒涛のように押し寄せた。
試合後の勝利者インタビューであらためて多井との関係性について質問され、「途中のアガリを見て、やっぱり強いなと。ただ多井隆晴は本当に尊敬しているんですけど、『たかちゃん』はそんなに尊敬してないです」と親しい間柄ならではの回答で笑いを誘った瀬戸熊。「僕の励みになっている人物なのは間違いないので、これからも一緒に麻雀界を盛り上げていきたい」と語った通り、宿命のライバルとの“名勝負数え唄”は今後もまだまだ続いていきそうだ。
【第1試合結果】
1着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)3万5000点/+55.0
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)2万7700点/+7.7
3着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)2万2300点/▲17.7
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)1万5000点/▲45.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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