勝負はいつだって最後までわからない、諦めてはいけない。改めてそんなことを教えてくれるような、ドラマティックな逆転トップをEX風林火山・二階堂亜樹(連盟)が成し遂げた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月12日の第1試合で、二階堂が一時は箱ラス寸前まで追い込まれながらも終盤に猛反撃、見事に全員をマクって今期6勝目を獲得した。
この試合の対局者は二階堂、U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)の並びでスタート。東1局、二階堂は9600点をアガって幸先のいい滑り出し。しかしその後はなんと8局連続の失点で、持ち点は700点まで減ってしまった。チャンス手に恵まれながらも放銃やライバルのツモが続き、その苦境ぶりは解説の松本吉弘(協会)「間違いなく今シーズン1番ツイてないですよ!」と言い切るほどだった。
南1局に親番を迎えると、二階堂は1500点と7800点(+300)をアガり、少し息を吹き返す。そして南3局1本場には七対子をテンパイしリーチ、一発でツモりリーチ・一発・ツモ・七対子・裏ドラ2の1万2000点。南4局を迎え、全員が2万点台、トップの可能性があるし烈な点数状況となった。流局を挟み南4局1本場、二階堂はダブ南・トイトイの満貫をテンパイ。満貫イーシャンテンとなっていた瑞原がロン牌の一万を掴み、これで二階堂は逆転トップ。実況の日吉辰哉(連盟)はこの幕切れに「国を守った!城を守った!いやーとんでもない!」と絶叫。松本も「シビれちゃいました、素晴らしいですね!」と脱帽していた。
インタビューに訪れた二階堂は「最初に9600点をアガったのに、一周して親が来たらほぼゼロ点に近くなってて…」と苦笑い。トップのきっかけについては南場の七対子を挙げ「うまくハマったんで。(イーシャンテンで)3枚残したのが全部地獄待ち。自然と北単騎かなって。(一発ツモは)ラッキーでしたね」と白い歯をみせた。また逆転を決めたオーラスについては「ダブ南を1枚目から鳴いて2着も全然ありかなと。ダブ南が暗刻になってくれたので、後はトイトイに一直線という感じでした」と語り、これには視聴者も「亜樹は悪運に勝った」「ナイスあきちゃん」「勝負強いなあ」と感嘆の声を投稿していた。
試合前に二階堂は日吉から3着か4着で(チーム成績が)マイナスに入ると言われており、これには「めっちゃプレッシャーをかけられて、そんなこと言われてもなあって…」と当時の心中を振り返り、改めてこの逆転トップに安堵の笑顔を見せた。
今年に入りまだ2勝と、チームが低迷していた中でのこの逆転劇。ファンは熱狂、歓喜に包まれたが、誰より喜んだのは本人たちだろう。セミファイナル進出へのボーダー争いは混とんとしており踏ん張り時はまだまだ続くが、この日の諦めない戦いぶりがあれば優位は変わらないと観る者に思わせる内容だった。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)3万1900点/+51.9
2着 KONAMI麻雀格闘俱楽部・佐々木寿人(連盟)2万9900点/+9.9
3着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万4600点/▲15.4
4着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)1万3600点/▲46.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧






