個人成績上位の3選手が揃った大一番。気迫で勝利をもぎ取ったのは、MVPの座を渇望する若武者だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月16日の第2試合で渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）が今期7勝目を挙げ、チームの独走態勢を固めつつ個人順位でも首位に浮上した。
この試合の対局者は起家からU-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）、松本、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）。試合前の時点で個人1位の小林、2位の内川、4位の松本、そして昨期MVPの魚谷と、各チームのエース級の実力者が揃った一戦となった。
セミファイナルに向けたチーム順位はもちろんのこと、個人タイトルの行方も左右する大一番。試合後のインタビューで、松本は「MVPとかは置いといて……」とそっけなくコメントしたものの、リポーターの松本圭世アナに追求されると「『気にしていない』は嘘をつきました」と笑顔であっさり白状するなど、上位陣との直接対決に熱い闘志をたぎらせていた。
序盤はやや出遅れた松本だったが、東4局1本場の発・赤の2000点（＋300点、供託2000点）で最初のアガリを決めると、南場に入って大爆発。南1局のリーチ・ツモ・赤・ドラの8000点、手堅いダマテン3面張から仕留めた南2局の白・赤・ドラの7700点、親連荘の1本場にはリーチ・赤・ドラ3の1万2000点（＋300点）と、実に4連続となるアガリで5万点台まで点棒を積み上げた。
勝利をほぼ手中に収めたようにも思えたが、ここからラス目の魚谷が猛然と追い上げ、南4局1本場の親満貫で一気に松本をかわしてトップ目に浮上。わずか700点差で迎えた運命のオーラス2本場、先制リーチで勝負をかけた魚谷に対して、再逆転を狙う松本はドラの4索をポンして5・8筒待ちでテンパイする。お互いに一歩も引かない白熱のめくり合いは最終盤までもつれ込み、最後のツモ番で松本がタンヤオ・ドラ3の8000点（＋600点、供託1000点）をツモアガリ。力の入った所作で8筒を卓に叩きつけると、ファンからは「かっけぇ！」「これはMVP」「熱くて好きだわ」「勝ち方が強い」と称賛のコメントが殺到した。
個人成績を争う小林と内川をそれぞれ3着と4着に抑え込み、トータル347.8ポイントで首位に立った松本。過去2シーズンと同様にMVPの基準は「（最終的に）400ポイントを超えてくる」と分析し、「強い人がたくさんいますし、守るつもりは一切ないです」とさらなるポイント加算を目論んだ。残り14試合で2位との差は500ポイント以上と、首位でのセミファイナル進出がほぼ確定した渋谷ABEMAS。どのチームよりも思い切って腕が振れる状況だけに、覚醒した若武者・松本がMVP争いの大本命に位置しているのは間違いなさそうだ。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）4万6400点／＋66.4
2着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）3万2300点／＋12.3
3着 U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）2万300点／▲19.7
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）1000点／▲59.0
【2月16日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋620.9（76/90）
2位 KADOKAWAサクラナイツ ＋83.8（76/90）
3位 TEAM雷電 ＋76.3（76/90）
4位 EX風林火山 ▲9.6（76/90）
5位 赤坂ドリブンズ ▲103.7（76/90）
6位 セガサミーフェニックス ▲199.4（76/90）
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲208.4（76/90）
8位 U-NEXT Pirates ▲259.9（76/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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