怒涛の連荘で場を制圧するその強さは、まさに“魔王”そのものだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月18日の第2試合は、連投で出場したKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)が同日2連勝を達成。9万4000点の大トップで今期の最高スコア記録を更新し、個人成績でも堂々の首位に立った。
この試合の対局者は赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、佐々木、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)。各チームのドラフト1位選手に加えて、今期からMリーグに参戦し前評判通りの強さを見せている堀と、試合前から「すごいメンツが揃った」とファンの期待が高まったが、いざ対局がスタートすると第1試合のトップで勢いに乗る“魔王”佐々木による恐怖のワンサイドゲームが展開される。
最初の親番を迎えた東2局、佐々木はダマテンでも跳満確定の手を迷わずリーチ。この時点でツモれば倍満の手だったが、3巡後にドラの東を暗カンすると、新ドラは手牌に暗刻で含まれた5索だった。直後には嶺上開花まで決めて、リーチ・ツモ・嶺上開花・ダブ東・赤・ドラ7の合計13翻。Mリーグには数え役満がないため親の三倍満の3万6000点のアガリとなり、実況を務めた日吉辰哉(連盟)は「なんだこれ!なんだこれ!1万2000オール!?だって新ドラぜんぶ乗ってる!」と喉が枯れんばかりの絶叫でその強烈さを伝えた。
早くも大勢を決するような一撃となったが、その後も佐々木は攻撃の手をまったく緩めない。東2局1本場にはリーチ・ツモ・七対子・裏ドラ2の1万8000点(+300点)、同2本場にはダブ東・ドラの9600点(+600点)、さらに3本場にもリーチ・一発・ツモ・赤の1万2000点(+900点)と高打点のアガリを連発し、持ち点は一時10万点を突破。園田と堀は放銃0回で箱下まで沈められ、実況の日吉は「見たこともない数字になっている佐々木の持ち点!1万2000オール、6000オール、3200オール、4000オールです!全部ツモ!全部ツモです!こんなことが起こっていいのか!?」と理不尽な状況に困惑するばかりだった。
独壇場というほかない試合展開に、佐々木と長年のライバル関係にある解説のEX風林火山・滝沢和典(連盟)も「この人とずっと麻雀やってたらおかしくなるでしょ……」となかば呆れ気味にコメント。余裕のリードを築いた佐々木は大きく点棒を減らすことなくオーラスを迎え、最後は白・ドラの2000点(+600点、供託1000点)のアガリを決めて堀が記録した9万2900点の今期最高スコアを更新する9万4000点でフィニッシュした。
佐々木は第1試合のトップと合わせて一晩で169.2ポイントを稼ぎ出し、KONAMI麻雀格闘倶楽部をセミファイナル圏外の7位から上位陣の背中が見える5位まで引き上げた。Mリーグ新記録の13翻、史上初の瞬間持ち点10万点突破、歴代でも2位に入る9万4000点のハイスコアと記録ずくめの半荘に、貪欲な“魔王”も「よくアガりましたね」と満足げ。個人成績でも2位の渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)に100ポイント以上の差をつける460.6ポイントの首位浮上と、「寿人無双」というファンのコメント通りの一日となった。
【第2試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)9万4000点/+114.0
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)1万7300点/▲2.7
3着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)-3600点/▲43.6
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)-7700点/▲67.7
【2月18日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +557.4(78/90)
2位 TEAM雷電 +76.3(76/90)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +54.1(78/90)
4位 EX風林火山 ▲9.6(76/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲39.2(78/90)
6位 赤坂ドリブンズ ▲179.7(78/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲199.4(76/90)
8位 U-NEXT Pirates ▲259.9(76/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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