シーズン開幕前に語られた“魔王”の壮大な野望が、いよいよ現実のものになりつつある。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月23日の第1試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)がハーラートップを独走する今期12勝目。チームの起用に応える3連投3連勝で、ついに個人成績は+500ポイントの大台を突破した。
この試合の対局者は起家から佐々木、EX風林火山・勝又健志(連盟)、セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)の並びでスタート。セミファイナル進出に向けたボーダー争いに加えて、個人1位の佐々木と2位の松本による首位攻防戦にも注目が集まった。
佐々木は今期最高スコアを記録して同日2連勝を飾った18日の勢いそのままに、親番の東1局に幸先よくリーチ・ツモ・平和・赤で7800点を加点。しかし試合後に「押し込まれる場面が多かった」と振り返ったように、勝又と和久津にもそれぞれ大きなアガリが出て、前回の独り舞台とは一転して3者で激しくトップ目を競り合う展開となった。
しっかりと守備を固めて失点を抑え、逆襲の機会を伺っていた佐々木は、2度目の親番となる南1局に持ち前の爆発力を発揮する。和久津の先制リーチをねじ伏せるように二・五・八万待ちの3面張で追っかけリーチを放ち、次巡にあっさりと八万をツモ。リーチ・一発・ツモ・平和・赤・ドラの1万8000点(+供託1000点)で一気に突き抜けたトップ目に立つと、解説を担当していた金太賢(協会)も「魔王、強すぎんか……?」と思わず絶句した。
終盤は個人首位を争う松本が400点持ちのラス目からトップへの執念を見せるも、佐々木はオーラス2本場にタンヤオのみの手をアガって盤石の逃げ切り勝ちを収めた。インタビューでは「やっぱり勝負強くて、粘り強かった。本当に危ないところまで来ましたから」と松本を称え、強者の余裕と風格を感じさせる場面も。代名詞のリーチは親番での2回のみという佐々木としては静かな内容ながら、その2回のリーチをいずれも高打点のツモアガリに仕上げる腕力と、リードを奪った後の冷静さが光った一戦だった。
佐々木はこの勝利で+516.7ポイントに到達し、シーズン開幕前に設定した+500ポイントという超ハイレベルなノルマをクリア。もうひとつの目標として掲げた個人MVP争いでも2位以下に大差をつけたが、「僕がたぶん一番状態がいいので、出番は増えると思います」とチームのセミファイナル進出に向けてエースとしてさらなる出場を示唆した。今期は序盤から絶好調で、ライバルチームのファンから「寿人連投は反則」と悲鳴にも似た声が上がるほどの強さを見せつけている佐々木。レギュラーシーズンの残り10戦、Mリーグ征服に王手をかけた“魔王”の進撃はまだまだ止まりそうにない。
【第1試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)3万6100点/+56.1
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)3万400点/+10.4
3着 EX風林火山・勝又健志(連盟)2万4600点/▲15.4
4着 セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)8900点/▲51.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)








