90試合中80試合を終えてチームは最下位。一つのミスが命取りになる土俵際の戦いで、あえて“すっぴん”をさらけ出すノーメイク打法が火を吹いた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月25日の第1試合で、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)が今期6勝目を挙げた。
この試合の対局者はEX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、園田の並びでスタートした。最下位に沈む赤坂ドリブンズにとってみれば、ここでラスを引くといよいよ崖っぷちに立たされるという状況で迎えたレギュラーシーズンの81戦目。飄々としたキャラクターの園田も、「普段はそんなに緊張しないんですけど、今日は結構緊張していて。本当に大事なところだったんで」とさすがに力まずにはいられなかったようだ。
そんな園田は、メイクをせずに試合に出場する「ノーメイク打法」という秘策を実行に移す。チームメイトの村上淳(最高位戦)が編み出したゲン担ぎに便乗する形だったが、一風変わったこの作戦(?)がズバリと的中。堀がやや抜けたトップ目を快走した序盤から一転して、試合後半はまさに“素顔の園田”の独壇場となった。
「鳴きの魔術師」という異名で知られる園田は、南場に入って得意の仕掛けからアガリを連発する。南1局にチーテンからタンヤオ・赤2・ドラの8000点をツモると、南2局1本場は2副露の後に絶妙なタイミングでテンパイを入れ、堀から發・中・チャンタ・ドラの8000点(+300点)を直撃。さらにトップ目に立って迎えた南3局には、ふたたび2副露でリーチの堀に真っ向勝負を挑む。それぞれのアガリ牌が山に5枚ずつ残った「山10枚」のめくり合いは、「珍しく何も考えていませんでした」と相手の待ちを一切読まない気迫のプッシュを実らせた園田の勝利。堀から中・赤・ドラの3900点(+1000点)を直撃し、オーラスの親番で満貫をツモられても逆転されないだけのリードを築いた。
園田はオーラスでも積極的な仕掛けによるチンイツで1万2000点の加点に成功し、最終的に5万3000点という大きなトップを獲得した。“すっぴん”ゆえ試合後のインタビューではやや顔をテカらせながらも「そりゃもう嬉しいですよ!」と喜びを爆発させ、「おじさんはメイクしてもしょうがない、みたいな感じなのかも」とノーメイク打法の効果にも言及。「オカルト全開で草」「すっぴん打法ウケるw」「オジサンズ笑」「ニッコニコでテッカテカ」とファンを沸かせた。
続く第2試合では村上が悔しい4着に終わるも、1日を通して6位のセガサミーフェニックスにじわりと詰め寄った赤坂ドリブンズ。残り8試合で順位はいまだ最下位と苦しい状況に変わりはないが、セミファイナル進出のボーダーラインまでの差はわずか87.9ポイント。たった1試合で入れ替わるポイント差だけに、レギュラーシーズンの最後の一瞬まで目が離せない戦いが続きそうだ。
【第1試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)5万3000点/+73.0
2着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)2万6200点/+6.2
3着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万9000点/▲21.0
4着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)1800点/▲58.2
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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