試合後の“ロボ”の表情には、激戦の末のトップに高揚してか、人間らしく赤みが差しているようにみえた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」2月26日の第2試合で、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)が今期5勝目を獲得した。
この試合の対局者はTEAM雷電・黒沢咲(連盟)、小林、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)の並びでスタート。第1試合では瑞原明奈(最高位戦)が各チームのエース級を撃破し価値あるトップ。ここでさらにトップを重ねることができれば一気にセミファイナル進出を手繰り寄せることに成功する。試合は高宮に先行を許し、これを小林ら3者が追う展開。小林は東4局、高宮のリーチに競り負けて放銃、3900点を失うが、その次局に挽回のチャンスが訪れる。
東4局1本場、12巡目にダマテンで満貫をテンパイした小林。すぐに松本のリーチが飛んでくるも、小林は裏筋の1筒をダマテンのまま勝負。結果は現物待ちの九万が黒沢からこぼれ、すぐに失点を取り戻して余りあるアガリ。そして南2局、12巡目に再びドラ3枚内蔵のテンパイを果たした小林はここでもダマテン。山に5枚残っていたアガリ牌がトップ目の高宮から切られ、平和・赤2・ドラの1万2000点(+300点、供託1000点)のデバサイ(出場所最高)。これで小林はトップに立つと、そのまま逃げ切って5勝目を手にした。
インタビューでは「簡単な平和ドラ3が2回アガれて、ラッキーでしたね」とまず一言。さらに「メンゼンで高い手を作るタイプではないので、恵まれた高い手を2回とも活かせてよかった」と続け、頬を緩ませた。チームが5位浮上となったことについては「瞬間的ですけど、ちょっとだけ安心できるゾーンに入ってきました。去年もこの時期に言いましたけど、面白い点差になってきたなと」と、シビれる展開を楽しむような笑顔もみせた。
またこの結果により小林は個人成績で2位となり、MVPへの期待も高まった。「個人成績を考えて、チームにとって損をする戦い方はしたくない。たまたま取れたらいいな、という感じ」と控えめ。ファンへは「トップの少ないチームなので心配をかけていますけれども、コツコツ負債を返済して、勝ち残りラインまで来ました。油断することなく頑張っていきたいと思います」と残り8試合に向けて健闘を誓った。
2月はすべての日程で登板し、結果を積み重ねた小林。ファンからは「船長ありがとう!!」「最高のキャプテンやん」「船長カッコ良すぎるわ」「超合金ロボ」「皆勤賞!」とエールが続いて投稿されていた。
一時はチームのトップ数が佐々木個人のそれと同じであることを、小林自身が気にするコメントを発するなど、勝利から遠かったパイレーツ。ここに来て連続トップを掴み、Mリーグ連覇という大目標に向けて前進している。“船長”の小林は連戦の疲れなど感じさせない頼りがいをみせており、宝島へ向けた海賊船の航路にブレはない。
【第2試合結果】
1着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)3万9100点/+59.1
2着 KONAMI麻雀格闘俱楽部・高宮まり(連盟)3万2300点/+12.3
3着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)2万5100点/▲14.9
4着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)3500点/▲56.5
【2月26日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +512.0(82/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +194.3(82/90)
3位 EX風林火山 ▲39.5(82/90)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲58.9(82/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲85.5(82/90)
6位 セガサミーフェニックス ▲142.9(82/90)
7位 TEAM雷電 ▲148.7(82/90)
8位 赤坂ドリブンズ ▲230.8(82/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧






