日本有数の桜の名所、青森・弘前公園。毎年、この桜を一目見ようと全国から多くの観光客が訪れる。だが、今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため120年以上の歴史の中で初めて全面閉鎖となった。
 この弘前公園の桜を描いているのは画家・伊藤寛さん、50歳(当時)だ。伊藤さんは大腸と肝臓にがんを患っている。身体に痛みを伴うこともあり、1、2分も立っていられないこともある。苦しい抗がん剤治療にもずっと耐えてきた。2年前のことだった。