負ければレギュラーシーズン突破がかなり厳しくなる。そんなチームの窮地を救ったのは、初年度優勝の原動力となった“魔法使い”だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月1日の第2試合で、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)が親跳満で突き抜け大量リード、終盤ライバル3者の猛攻を受けながらも逃げ切り、今期7勝目を獲得した。
この試合の対局者はU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、EX風林火山・勝又健志(連盟)、園田、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)の並びでスタート。第1試合で今期チームのポイントリーダー村上淳(最高位戦)が悔しい3着、最下位のチームはさらに押し込まれ、挽回となるトップの期待は園田に託された。
園田は親を迎えた東3局、6巡目に先制リーチをかけるとリーチ・ツモ・平和・一盃口・赤の1万2000点をアガる。前回、メイクをせずに試合に出場する「ノーメイク打法」で登場した園田はこの日も「すっぴんメイク」と称し薄いメイク。その顔がテカテカするほど脂が乗り、点棒をかき集める姿に視聴者からは「園田覚醒」「園田確率の収束が来てる」「今日の園田さんかっけーぞ」とコメントが殺到した。
これで勢いを掴んだ園田は続く東3局1本場、最速手順で七対子をテンパイ。松本がホンイツの仕掛けを見せていたが、ここに園田は白待ちのリーチをぶつける。すぐにツモって、リーチ・ツモ・七対子・裏ドラ2の1万8000点を獲得。大きすぎる裏ドラでライバルを置き去り、園田は一気にトップ目へ立った。
南場に入ると、着順アップを狙うライバルの猛攻に園田は苦しんだ。それでも“魔法使い”と呼ばれる仕掛けの戦い方は変えることなく、相手をけん制しながらゲーム回し。長引いた南4局2本場は自風の北をポン、自らツモって試合終了とした。
インタビューでは「トップを取ると『わー嬉しい!』って感じですが、残り試合数がだいぶ少なくなってきたので、嬉しいというよりひと安心です」と一息に語り、窮地に立たされ重圧のかかる試合を乗り越えた、その安堵感を身振り手振りで表した。またそれぞれの親番で粘られ、苦しかった南場は「地獄の南場でした」と形容し、ある程度のリードを持っていた中でも常に緊迫していた心境を振り返った。
自らのアガリについては「調子が良いというか、普通ですね。牌に恵まれました」と語ったが、その「普通」のアガリがなかなか訪れず、リーグ屈指の実力とは反してラスを重ねていたのも事実。セミファイナルシリーズ進出、そして2度目の優勝に向けて欠かせない戦力が、ここに来て個人2連勝と調子を上げてきた。
このトップで5位から8位はわずか38.2ポイント内にひしめく超混戦。一つのトップ、ラスが重みを増してくる。気が抜けない状況はそのままだが、赤坂ドリブンズの逆転突破の道へ強い光が差した試合だった。
【第2試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)4万5400点/+65.4
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)2万400点/+0.4
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)1万9200点/▲20.8
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1万5000点/▲45.0
【3月1日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +518.6(84/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +194.3(82/90)
3位 EX風林火山 ▲25.9(84/90)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲58.9(82/90)
5位 セガサミーフェニックス ▲142.9(82/90)
6位 TEAM雷電 ▲148.7(82/90)
7位 U-NEXT Pirates ▲155.4(84/90)
8位 赤坂ドリブンズ ▲181.1(84/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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