来年春に卒業予定の学生向け会社説明会が3月1日、解禁された。新型コロナウイルスの感染拡大、東京オリンピック・パラリンピックの延期、菅内閣の誕生など、様々なニュースがあるが、就活ではどのように時事ネタを活用すればいいのだろうか。
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『ABEMAヒルズ』に出演したSHOWROOM株式会社取締役社長の前田裕二氏は「窓と景色の2つがポイントだ」と話す。
「よく大人に『ニュースに対して意見を持ちなさい』と言われると思うが、これは時にミスリーディングだと思う。これをやることによって多くの就活生がただ普通によく世に転がってる"普通の意見”を言ってしまう。例えば、新型コロナであれば『コロナ禍で日本の経済が回っていなくて心配です』とか、『経済と天秤にかけても、命を守ることが大切』だと話す。もちろんそこにオリジナルの具体エピソードが紐付いていれば別だが、表層だけ真似して、ロボットでも言えるようなコピー意見になってしまっては良くない」(以下、前田裕二氏)
「単に無心で意見を言う、というレベルから脱して成長する為に大切なポイントは2つある。1つ目は、そこに、『独自の切り口』があるかどうか。言い換えるなら、あなたが、一体どんな窓から物事を見ているか。三角形の窓だったり、丸い形の窓だったり、ガラスのない窓だったり、特殊な窓から世の中を見ていると、僕は聞いていてワクワクする。2つ目は、その独自の窓から、どんな景色を見たのか。つまり、どんな気付きを頭に焼き付けて持ち帰ったのか、という事。ニュースをどんな視点で見て(窓)、何を学び(景色)、そして行動に落ちていったのか。そこまで言えると本当に強い」
自身も就活ではエントリーシート(ES)にとにかく苦労したという前田氏。ES選考でのお祈りメールが続き、会ってすらくれない採用担当に悔しさが募った時期もあった。そこから、ES無双になるまでに成長した自身の経験を踏まえて、「"独自性と具体性"これが一番大切だ」と明かす。
「新型コロナのワクチンの話であれば『供給が遅れて、政府の動きが心配です』はみんな言える。これは単なるよく見る焼き増しの意見。でも例えば、自分のお家に“ひろし”っていう名前のおじいちゃんがいたとして、『祖父のひろしとは長らく一緒に住んでいて、彼は家でずっと本読んだりしているけど、僕はコロナ禍でも出歩くことがままある。つまり、よく考えるとひろし爺ちゃんにとって僕が(感染の)一番のリスクなのではないかと思っています。お金もなくPCR検査もそこまで受けられない中で、自分家に帰っておじいちゃんにうつしてしまうのは本当に怖い。もし僕が厚生労働省にいたら、ワクチンを高齢者に優先的に打つだけでなく、高齢者と一緒に暮らしている若者の優先順位も上げる事で、高齢者を守りたい』。その上で『今は僕ができることとして、こういう風に行動を変えています』と話す。そうすると、具体的に相手の生活圏や人となりが見えてくる。かつ、ちょっと人とズレたタイプの異なる窓から物事を見ているのもわかる。このように具体性と独自性を突き詰めれば、面接における時事関連コメントは急激に上手くなるはずだ」
面接やグループディスカッションでテーマになることも多い時事ネタでは、いかに自分なりの意見について具体性を持って発言できるかが、勝負どころになりそうだ。
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』就活スペシャルより)
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