一度火が付いたこの男は、もう誰にも止められない。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月5日の第1試合で、高打点のアガリを連発。ライバル3者を圧倒し、今期6勝目を獲得。セミファイナルシリーズ進出に当確ランプが灯っているチームに、さらなるポイントの上積みを与えた。
この試合の対局者は多井、TEAM雷電・萩原聖人（連盟）、EX風林火山・滝沢和典（連盟）、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）の並びでスタート。多井は東1局、ドラ2枚のチャンス手も萩原の追撃に満貫放銃。しかしこの失点を、払しょくするチャンスはすぐに訪れた。
東2局、赤5索を早々に切り飛ばし、まっすぐにアガリを目指して手作り。8巡目にリーチと出ると、10巡目にこれをツモってリーチ・ツモ・タンヤオ・平和・一盃口・裏ドラ2の1万2000点。開始早々の失点を1.5倍にして取り戻し、トップ目に立つ。
一旦は堀にマクられた多井だが、南1局に親番を迎えると、“現役最強”の呼び声高いこの男の潜在能力が大爆発。まずダマテンで親満貫の平和を、萩原のリーチに合わせて追っかけリーチ、これをツモって、親跳満をゲットすると、南1局1本場にはメンチンテンパイ。すぐさまツモってツモ・チンイツでまたもや1万8000点（＋300点）と2局連続の親跳満成就。2着目の堀も遠くへ追いやり、一人浮きの状態となった。
南3局はわずか6巡目に仕上がったダマテンの満貫を萩原からアガり、ダメ押しに成功。満貫放銃に始まり苦戦も予想された多井だったが、終わってみれば7万点に迫る圧勝で今期6勝目を挙げた。ゲスト解説の杉浦勘介（連盟）は「爆発力がすごい。持つ者と持たざる者の差なのかなと感じてしまう」と評し、この完勝劇に賛辞を送っていた。
インタビューでは個人成績が＋200を超えたことに自ら言及し「チームのプラスだけを考えて、大きいトップだけを狙っていた」と、下位チームの思惑は気にせず、この日はポイントリーダーの立場を活かし、伸び伸びトップ狙いで試合に臨んでいたことを明かした。
さらに多井は「個人で200を超えたいと思っていた。ミッションをクリアできましたよ」と続けてニッコリ。「自分の中では（今期これまでの内容では）No.1の内容で打てたんじゃないかな」とまとめた。残り少ないレギュラーシーズンに向けては「ポイントを積んで、セミファイナルを戦いやすくして、そのまま最後まで…。完全優勝したいと思っています」と宣言。これにファンからも「多井隆晴最強！！」「強すぎる」「憎たらしいほど強い」「ギアを一つ上げて行くぞ！」とエールが連続投稿されていた。
今期ここまで個人の活躍は若武者の松本吉弘（協会）に譲り、やや大人しい印象すらあった多井がここで開眼、一気に勢いを増してきた。このまま首位を明け渡さずにセミファイナルも撃破、春にシャーレを掲げるイメージも視聴者に植え付けた。チーム創設3年目の悲願成就に向けて、隙は見当たらない。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）6万7800点／＋87.8
2着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）2万5100点／＋5.1
3着 EX風林火山・滝沢和典（連盟）1万3500点／▲26.5
4着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）▲6400点／▲66.4
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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