3月4日のセガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)の“神の左手”による倍満ツモに続き、またしても感動のシーンが生まれた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月11日の第2試合で、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)がオーラス5本場に「フリテン・ラス牌」の7筒をツモり劇的な逆転勝利。セミファイナル進出に望みをつなぐ奇跡的なアガリが麻雀ファンの感動を誘い、Twitter上では「黒沢さん」がトレンド入りを果たした。
【動画】試合後にホッとした笑顔を見せる黒沢咲(3時間18分ごろ~)
東日本大震災から丸10年となる11日。Mリーグでは第1試合の開始前に黙祷が捧げられた。同試合では、宮城県仙台市出身のKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)が「東北魂」を見せつけるかのような倍満ツモでトップを獲得。一方で第2試合に出場した黒沢も、TEAM雷電のチームメイトである萩原聖人(連盟)、瀬戸熊直樹(連盟)と共に被災地である岩手県・陸前高田市を訪れ、地元の人々と麻雀で交流するといった活動を行ってきた。
選手それぞれが被災地への思いを胸に抱く中、出場した4チームにとってレギュラーシーズンの全90試合の最終戦となる11日の第2試合は、多くの人に勇気や希望を与えるような熱い戦いが繰り広げられた。セミファイナル進出のために是が非でもトップがほしい黒沢が序盤に抜け出すも、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)が猛追し、さらに赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)もオーラスの驚異的な粘りでトップ目まで浮上。大ベテランのKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)も、「これぞプロ」という鉄壁の守備を見せつけて視聴者を魅了した。
そんな中、主役となったのは“セレブ”の愛称で知られる黒沢だった。絶好の配牌からまったく手が進まなかった南4局2本場、裏目でアガリを逃すことになった同3本場と心が折れそうな局が続く中、5200点以上のツモアガリが必要な同5本場にもカンチャンで裏目を引く苦しい展開に。しかしラス牌の6筒、同じくラス牌でドラの中を続けて引いた黒沢は、二階堂のリーチにひるまず自身が2枚切っているフリテンの4・7筒待ちでテンパイ。そして2巡後、山に1枚だけ残ったアガリ牌の7筒を引き当て、ツモ・赤・ドラ2の8000点(+1500点、供託1000点)であまりにも逆転トップを決めてみせた。
絶体絶命の状況からラス牌を3枚引いて手にした奇跡的な満貫に、熱い対局を見守っていたファンは「すげえええええ」「伝説すぎる」「叫んだわ」「本当に素晴らしい」「鳥肌」「めちゃくちゃカッコいい」「Mリーグ面白すぎない?」と大盛り上がり。とりわけ窮地に立たされていたTEAM雷電のファンは、「マジ泣きしてます」「涙出てきた」「感動しかない」「まだ決まってないけど泣く」「これは号泣」と涙を抑えることができない様子だった。
試合終了後、チームメイトの瀬戸熊が自身のTwitterに「涙。凄いよ、お嬢」とつづると、ファンからは感動を伝えるリプライが殺到。この日試合のなかった渋谷ABEMASの松本吉弘(協会)や日向藍子(最高位戦)、さらにKADOKAWAサクラナイツの内川幸太郎(連盟)や岡田紗佳(連盟)といったMリーガーたちも興奮気味のツイートを投稿するなど盛り上がりはSNS上にも波及し、Twitterでは「黒沢さん」が一時トレンド上位に食い込んだ。セミファイナルを前に2チームの脱落が決まるレギュラーシーズン最終日の12日も、見る者の心を震わせる対局が生まれることに期待したい。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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