インタビューで出た言葉は、敗者へのリスペクトに満ちていた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月12日の第2試合で、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)がハーラー単独2位となる12勝目を獲得、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)にわずかに及ばずMVPは来年以降の目標となった。
この試合の対局者は内川、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)の並びでスタート。この試合で7万点のトップが取れれば、内川は個人成績で佐々木を逆転する。「東場、南場の親まではわがままにやらせてもらって、それ以降は試合を締める」と試合前に戦い方まで明かして臨んだ試合となった。
試合は最終戦ならではの重たい展開。3万5700点のトップという明確かつ現実的な条件で勝ち上がりが目指せる小林と、奇跡の逆転を目指す近藤、そして優勝へ向けてさらにポイントを伸ばしたい多井、それぞれの思いがぶつかり、4者ほぼ並んだ2万点台で南場へ。
内川は南1局、大事にしたい最後の親番で、小林に満貫をツモられ親被り、逆に失点となってしまう。それでも南2局には9巡目にリーチをかけると、これをハイテイでツモりリーチ・ツモ・ハイテイ・赤の8000点を獲得。トップ目へ躍り出た。
南3局、内川は仕掛けてテンパイを果たすと、小林から5200点をアガって親落としに成功。そして最終局となった南4局1本場、ここでも内川は素点アップを目指して5巡目リーチ、これをツモって満貫とし、試合を決めた。
今期12度目の勝利者インタビューで、内川は喜びよりも敗者への思いが先に出た。「小林さんも近藤さんも、気迫がすごくて、どういう結果になってもしっかり打とうということだけは…」と話したところで言葉に詰まり、目には涙があふれた。個人成績1位を逃したことについては「今日に関してはしっかりした麻雀が打てた」と前向きに語り、首位チームの多井とのトップラスを決め、セミファイナルシリーズへ向けて大きく弾みを付けたこの試合の出来に満足していた。
「パイレーツさんとフェニックスさんの分までセミファイナルでいい麻雀を打って、ファンの皆様を楽しく面白く、熱くさせたいと思います」と語りインタビューを締めた内川。これに視聴者からは「内川さんのコメントで泣いちゃう」「ウッチー応援します!!!!!!!」「いやーいいコメントだし人柄出てますな」「コメント力=人間力」とコメントが続いた。
今期、内川はエースとしてポイントを積み重ね、チームをけん引。来る4月、サクラの季節にプリンスが躍動する時期を、ファンは待ちきれない。
【第2試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)4万4600点/+64.6
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万1900点/+1.9
3着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)2万1500点/▲18.5
4着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)1万2000点/▲48.0
【3月12日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +654.7(90/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +497.3(90/90)
3位 赤坂ドリブンズ ▲3.2(90/90)
4位 EX風林火山 ▲108.8(90/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲168.5(90/90)
6位 TEAM雷電 ▲210.5(90/90)
7位 U-NEXT Pirates ▲264.3(90/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲396.7(90/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧







