将棋親善大使・伊藤かりんが振り返る2020年度の将棋界「藤井聡太さんの二冠は圧倒的」「山崎隆之先生のA級、ドキドキしました!」

 新型コロナウイルス感染拡大に揺れた将棋界も、まもなく2020年度が終わりを迎える。将棋親善大使として普及活動に務める元乃木坂46・伊藤かりんも、なかなか思うように活動ができなかった中、「指す将」「観る将」活動を楽しんだ。天才棋士による快挙や、親交のある棋士の悲願達成など、心を躍らせるシーンはいくつもあった。最近の自身の将棋ライフと合わせて、話を聞いた。

【動画】伊藤かりんが注目する第4回ABEMAトーナメント

 将棋親善大使として、いろいろと活動をイメージしていた伊藤だが、今年度は「人と会うこと」が難しかった。YouTubeでのコラボ動画も思うように本数を作れなかった歯がゆさもあった。

 伊藤かりん(以下、伊藤) 昨年のちょうど今ごろは、個人でイベントをやっていたんですよね。その時は「将棋の活動ができてるっ!」という感じだったんですが、今ではイベントがゼロになってしまったので、普及の面はなかなか難しかったですね。YouTubeでも、もっと先生方と絡んだりしたかったんですが、コロナによってなかなか動きがあるものができなくて。様子を見ながらまずは仲がいい人、連絡が取れる人とコラボをしている感じです。

 活動の幅が狭まったこの時期だからこそ、自分の棋力を向上させることにした。人気アプリ「将棋ウォーズ」では、これまでは「あまり多くても雑になっちゃうから」と1日3局に決めていたが、今年度はついに4局以上を“解禁”した。

 伊藤 「指したい!」と思う日はもう、めちゃめちゃ指したいんですよ。ルールは10分切れ負けでやっています。多い日なんて、それこそ夜が明けるまでというか、一生指しちゃうみたいな勢いで(笑)。今でも基本は3局に収めようとしているんです。3連敗とかするとスパッと止めちゃうんですけど、勝っているとどんどんやっちゃいますね。

 一方、「観る将」活動もばっちりだ。やはり2020年度を語る上で、最年少タイトル獲得、二冠達成した藤井聡太王位・棋聖は欠かせない。注目の中で結果を出すその様子に、ただただ驚いた。

 伊藤 藤井さんの二冠が圧倒的にすごいですよね。一気に2つも取るかと思いましたし。挫折とかないのかな、みたいな(笑)。それぐらいのすごさです。藤井さんがタイトルを取ったことで、木村一基先生(九段)が失冠してしまったのはすごく寂しいんですが、その活躍を報道番組とかでも取り上げていただくことがすごく多かったので、やっぱり常に台風の目にいるというか、話題になってくださる方だなと思いましたね。

 対局以外で大きな話題になったポイントで言えば、残り2カ月ほどだった高校生活に、自主退学という選択をしたことだ。「私とは全然レベルが違いますが」と前置きをした上で、芸能界でもよくある仕事と学業の両立についても語った。

 伊藤 藤井さんが高校に入学するということ自体に、まず私は驚いたんです。藤井さんがあれだけのレベルの方ですし、結構将棋界には高校へは行かずにプロになる方も多いので「高校に入らなくてもいいんじゃない?」と思ったくらいだったので。両立してきたというのもすごいなと思いましたし、二冠を取ったこのタイミングで辞めるっていうのも、またすごいですね。

将棋親善大使・伊藤かりんが振り返る2020年度の将棋界「藤井聡太さんの二冠は圧倒的」「山崎隆之先生のA級、ドキドキしました!」

 伊藤個人にとって、とても大きくうれしかったニュースが、NHK「将棋フォーカス」のアシスタント時代に共演していた山崎隆之八段の順位戦A級への昇級だ。1998年4月に四段昇段、もうすぐプロ生活23年となる40歳が、2020年度は勝率7割超えとブレイク。強豪ひしめくB級1組を勝ち抜き、ついにA級入りを決めた時には、伊藤も大喜びした。

 伊藤 山崎先生、今年は順位戦で勝っているなぁと思ってはいたんです。でも何勝何敗とか途中まであまり気にしていなくて。ふと秋口に総当たり表見たら「めっちゃ強い!」と思って。そこからもうずっとドキドキしていて、昇級が決まった深夜のあの瞬間はうれしかったですね。LINEのアカウントを知っていたので、連絡もしました。私はうれし過ぎたのに、本人は結構のんきというか「YouTube、見てます」みたいな(笑)。私もそれよりも昇級の話がしたかったんですけどね。

 山崎八段の人柄を知る人であれば、思わず納得といったようなやりとりでもあるが、伊藤は山崎八段の「やる気スイッチ」が入る瞬間を知っている。ただ、少なくとも新型コロナウイルスにより対局が中止、延期になっていた時期はスイッチがオフだったと思っている。

 伊藤 山崎先生とは1年以上お会いできていないんですが、5月ぐらいにZoom飲みしたんですよ。メンバーは私と山崎先生、中村太地先生(七段)、戸辺誠先生(七段)、それと将棋フォーカス時代にお世話になった方。山崎先生って、やっぱりおもしろいんですよ。「絶対勝てない…勝つことはないと思う」みたいな自虐をずっと言っていたのに、この結果ですからね(笑)。以前、山崎先生の「やる気スイッチ」が入ったのは、太地先生が王座を取った時(2017年度)。ご本人もスイッチが入ったと言っていて、その後本当に日本シリーズ JTプロ公式戦も優勝されました。

 藤井王位・棋聖も、対局のなかった春先の2カ月を研究にあて、その後の大活躍につなげた。山崎八段からすれば、6月に開幕した今期のB級1組での快進撃も、直前のZoon飲みがスイッチオンのトリガーになっていたかもしれない。

 まもなく2020年度の成績優秀者を表彰する「将棋大賞」も発表され、またコロナ禍で公式戦が中止・延期になる中、将棋ファンを楽しませた非公式の団体戦「ABEMAトーナメント」も、月末に開幕する。普及を求められる親善大使・伊藤かりんがこの状況でできる一番のことは、棋士の活躍ぶりを思う存分味わい、その素晴らしさを世の中にどんどんと発信していくことだ。

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