豪快に振り回すフックからヒザで顔面を捉える戦慄のミドルキックで、重量級のトップランカーが額をカットし戦意喪失。ダウン直後に鮮血が滴る衝撃KOに会場がどよめいた。
3月21日に東京ガーデンシアターで開催された「K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~K’FESTA.4 Day.1~」。サッタリ・ウィラサクレック(イラン)と加藤久輝のクルーザー級の一戦は、サッタリのミドルキックを顔面に被弾した加藤が2ラウンドKO負け。顔面にヒザが直撃して額をカットする衝撃のシーンに視聴者からも「これはエグい」「久々にここまでのを見たわ…」などの反応が寄せられた。
重量級のクルーザー、K-1初参戦のサッタリはアマチュアのムエタイ世界ミドル級や大会での優勝経験なども豊富な選手。昨年11月のKrushデビュー戦では谷川聖哉にカウンターで右フックを合わせ一発で沈める"前のめりダウン”を演出している。さらに「KODO」の舞台でも森謙太を1ラウンド3ダウンで下し、日本のリングで自らの破壊力を証明してきた。
一方、K-1重量級を代表する1人である加藤は現在2連敗中、昨年はプライベートでも交通事故に合うなど災難続きだっただけに、2021年の初戦を連敗ストップとクルーザー級トップ戦線再浮上の切っ掛けにしたいところだ。
試合は序盤からサッタリのペース。軽快なステップで右ミドル、パンチ連打とスピードと強いプレッシャーを見せるサッタリに加藤は下がる場面が目立つ。今回がK-1グループ2戦目ということもありサッタリの打撃に対してコメント欄も「圧が強いしこの階級なのに速い」「(加藤が)スピードについていけない」「ミドルが怖い」との指摘も。加藤もボディブローや重いローを織り交ぜ反応するが、強引なパワーとスピードで押し切るサッタリのカウンターぎみの右ミドルを貰うなど劣勢が続く。
一発で事態を打開できるのがクルーザー級。加藤が反撃の左フック一撃でサッタリの右目尻をカットすると、さらに飛び込んでスーパーマンパンチ風の伸びる左ストレートをヒットさせるとサッタリの動きが止まった。
しかし、サッタリは再び荒々しい攻めで強引にペースを引き戻すと、1ラウンド終了間際に加藤の右にクロスで右フックを合わせて最初のダウンを奪った。
2ラウンド、サッタリの猛攻は続く。左フック、右ミドルを2発、左右を振り回すと加藤はゆっくりと腰を落としダウン。顔面に蹴りを被弾した加藤は額から鼻にかけてパックリとカットして鮮血が滴った。顔をしかめながら座りこむ加藤、ダメージが大きく気持ちも折れたか立つことができない。ここでレフェリーが続行不可能と判断し試合をストップした。
サッタリの連続攻撃の速さからダメージの度合いが判り難いフィニッシュシーンだったが、スロー再生で衝撃の破壊力が明らかとなる。サッタリの左フックにぐらつく加藤に追い打ちをかけた右ミドルのヒザが顔面にヒット。カウンターぎみにヒザを貰った加藤の頭が仰け反るように左右に揺れた。衝撃の大きさがひと目で伝わるダウンシーンに視聴者は「これはエグいな…」「久々にここまでのを見たわ…」「顔の骨が折れたかもな」「大ケガになってなければいいけど…」と騒然。
試合後、加藤は「2Rで頬が切れて、鼻も曲がっちゃって…」と問題のシーンでの負傷について語りつつ、「クルーザー級は怖い階級ということが、みなさんよくわかったと思うんですけど…」と一発でも当たれば終わる重量級の恐ろしさについて自ら言及していた。