今場所で序二段からの大関復帰を目指す関脇照ノ富士が13日目、大関正代を寄り切って10勝目を挙げた。三役に復帰した先々場所から13勝、11勝をマークしてきた元大関は場所前から「33勝しないと始まらない」と目標達成をしっかり視野にとらえていた。
大関昇進の目安とされる「三役で3場所33勝以上」のラインは前日、玉鷲を降し9勝目を挙げて到達したが、本場所の15日制が定着して以降、直前場所が9勝で昇進した前例はなく、3場所連続で勝ち星を2ケタに乗せたこの白星で大関返り咲きも決定的な状況となった。
腰が降りた低い体勢のまま立ち合いで大きく踏み込み、左の浅い上手を引いて一気に走って大関を圧倒したこの日の一番が、まさにどん底から這い上がってきた昨今の相撲ぶりを象徴している。若くして大関に昇進した当時は腰高の状態で肩越しにつかんだ上手で振り回したり、不利な体勢からの強引な小手投げなど、大味な取り口が目立っていた。そんな力任せの相撲で幾度となく勝ち星を拾ってきたが、一方で両膝のケガを誘発することにもなった。
得意の左上手はおっつけながら下から取りにいくようになったことで、相手の右の差し手を封じるとともに引きつける力も格段に増し、ケガのリスクも激減した。対大関朝乃山戦で先場所まで4戦4勝している最大の要因もそこにあると言っていいだろう。
パワー頼みから理詰めの相撲へと変貌した男は終盤の大関3連戦でまず先勝。優勝争いでもトップに並び、残り2番で最後の総仕上げに取り掛かる。
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