木村一基九段、くじ引き2連勝でドラフト“完勝”「今年の運を全て使い果たした」/将棋・ABEMAトーナメント
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 今年は豪運の年なのか。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の大会に先立ち行われたドラフト会議の模様が、3月27日に放送された。リーダー棋士の一人、木村一基九段(47)は1巡目に佐々木勇気七段(26)、2巡目に池永天志四段(27)を指名、いずれも斎藤慎太郎八段(27)と重複、くじ引き抽選となったが2回連続でゲット。本人が「今年の運を全て使い果たした」と言うほど、超ラッキーな一日となった。

【動画】サプライズ連発のドラフト会議

 昨年は行方尚史九段(47)、野月浩貴八段(47)と同学年トリオを結成。本戦出場はならなかったが、気心知れた仲間との戦いを「大変楽しいものでした」と満喫した。ただ、毎年同じメンバーとなっては、エンターテイナー木村九段としても物足りない。「リーダーが充実したばかりだと、『おれは渡辺名人のところに行きたかった』とか、そういう人も出てくるかと考え始めたら、昨夜はちょっと寝られなくなりました」と苦笑いした。悩んだ末に「明るい人が欲しい」と思ったところで顔が浮かんだのが佐々木七段だった。さらに池永四段と、両者とも2020年度の勝率が7割を超える絶好調の20代棋士を両取りした。「横歩取りの本を出した勇気さん、角換わりの本を出した池永さん。大変素晴らしい本だと思いましたんで、そういう人と一緒に組みたかったです」と、若い知性にも触れたかった。

 2回連続、くじを引き当てたが、外した斎藤八段の方は「見ないようにしていました」。「本当ならば、ニコッと笑って『悔しいんじゃないの』とか言った方がよかったのかもしれないですが、そこまではやらない方がいいかと思って」と、エンタメを熟知しつつ、相手の気分を損なうところまでは踏み込まないあたりも、ファンに支持される理由だ。

 勢いのある若手2人と組んだからには、昨年以上の結果を残したい。「私よりも先輩、50代の人も指名されました。40代の人も結構入っていたので、そういう年齢に差し掛かっている私としては、うれしく感じました。チーム自体は優勝したいですが、私は足を引っ張らないようにというのが、正直なところです」とニヤリとした。勝負どころになればなるほど、若手も驚く強さを発揮することは、将棋界全員がよく知っている。

◆第4回ABEMAトーナメント 前回までは「AbemaTVトーナメント」として開催。第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦になった。チームはドラフト会議により決定。リーダー棋士が2人ずつ順番に指名、重複した場合はくじ引きで決定する。第3回は12チームが参加し永瀬拓矢王座、藤井聡太王位・棋聖、増田康宏六段のチームが優勝、賞金1000万円を獲得した。第4回は全15チームが参加。14チームは前年同様にドラフトで決定。15チーム目はドラフトから漏れた棋士によるトーナメントを開催、上位3人がチームを結成する。対局のルールは持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チーム同士の対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負に変更された。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。

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