2020年度の年間表彰「将棋大賞」では、ついに初の最優秀棋士にも選ばれた藤井聡太王位・棋聖(18)。最年少棋士としてデビューし、今ではプロ将棋界の“4強”にも数えられるほどまで成長した。テレビCMにも出演し「藤井聡太」の知名度は完全に全国区だ。その天才棋士が、2016年12月にあったデビュー戦でのハプニングは、今も忘れない。「これで他のことでなかなか驚かなくなったのでよかった」と振り返るのは、毎年多くの対局がある中でも、めったにないものだった。
藤井王位・棋聖が、このエピソードについて触れたのは、プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」のチーム企画でのこと。自らリーダーを務めるチーム藤井で、伊藤匠四段(18)、高見泰地七段(27)から、仲を深めるべく質問を受けている時だった。質問の一つ「棋士になって驚いたこと」に、周囲は環境の変化や、他の棋士の強さなどを語るものだと構えていたが、出てきたのは加藤一二三九段(81)とのデビュー戦だった。
史上初めて中学生で棋士になった“神武以来の天才”加藤九段と、最年少で棋士になった当時の藤井四段。最多年齢差対局としても話題になったが、ここでまさかの自体が起きた。
藤井王位・棋聖 加藤先生が昼食休憩中にバシッと指されて…(笑)。すごく驚きました。休憩中に指されることがあるのかと(笑)。
これを聞いていた高見七段は、すかさず「普通はないですね。デビュー戦ですごい洗礼を受けましたね」と拾ったが、まさかの事態も経験に変えるのが藤井王位・棋聖らしい。
藤井王位・棋聖 これで他のことはなかなか驚かなくなったので、よかったなと思っています。
既に250局以上、プロで指した藤井王位・棋聖だが、休憩中に手が進むようなことは、後にも先にもないはず。それがデビュー戦であったのだから、その後に起きることなど、ほとんどが想定内なのかもしれない。今後、この天才棋士が慌てるようなことがあれば、その時はもれなく「藤井王位・棋聖が大慌て」と見出しを打ったニュースが出る。
(ABEMA/将棋チャンネルより)







