これが組織の頂点に立つ者の気配りだ。日本将棋連盟会長でもあり、トップ棋士として活躍する佐藤康光九段(51)が4月9日、叡王戦段位別予選(九段戦)で森下卓九段(54)と対戦。後手番から、自身の初手を指す前に、チョコレート「LOOK」を2粒口に放り込む「初手LOOK」を披露し、ファンの反響を呼んだ。
佐藤九段といえば、棋士としては独創的な指し回し、会長としてはユーモアに富んだコメントを残すことで知られている。重責をこなしながらもトップ棋士として活躍することで、多くの棋士や関係者、ファンから尊敬の念を抱かれる存在だ。
対局内容だけでも十分にファンを魅了するが、この日は初手の前からファンもスポンサーも喜ばせた。開局前、今期から主催となった不二家が用意しているお菓子ボックスに目をやると、人気チョコレート「LOOK」を事前に開封。午前10時から対局が始まると、自分の手番になったところで、新型コロナウイルス感染防止のためにしているマスクを一瞬外し1粒、また1粒と口の中に放り込んだ。

棋士は考えることで大量のカロリーを消費することから、チョコレートなど甘い食べ物を対局中に摂取するケースも多い。また会長としても、放送対局で注目が集まるところで自分が食べることが、スポンサーメリットにもつながるという配慮もあっただろう。2粒しっかり味わった後で、戦いに向かった様子に直後からファンが反応。「ご配慮流石です」「初手LOOK」「わかってる!」といったコメントが相次いだ。
なお、同じように初手を指す前の所作として、藤井聡太王位・棋聖(18)がお茶を飲む「初手お茶」が有名で、現在はサントリー緑茶「伊右衛門」のテレビCMに出演するまでになっている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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