将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が4月9日、叡王戦段位別予選(八段戦)で広瀬章人八段(34)に75手で勝利し、2021年度初戦を白星で飾った。この勝利で八段戦Cブロックを突破し、本戦出場が決定。前年度から続いていた連勝は「18」まで伸ばした。
新年度も活躍を予感させる勝利だ。タイトル経験もあるA級棋士・広瀬八段との対戦は、相掛かりの出だしに。持ち時間1時間と、短めの対局ながら積極的に時間を消費。長時間の対局同様に序盤からしっかりと読みを入れると、じりじりと有利、優勢に。先に持ち時間を使い果たして1分将棋に入ってもミスなく相手を追い詰め、隙のない将棋に終始した。「こちらがどう対応するか一手一手難しいと思っていました。うまく(相手の)飛車角を抑え込みながら攻めていければと。判断が難しい局面が多かった気がします」と対局を振り返ると、本戦出場には「いい内容にできるように精一杯指したいです」と意気込みを述べた。
藤井王位・棋聖は2020年度に棋聖戦で最年少タイトル獲得記録を更新。さらに王位も獲得し、最年少二冠・八段昇段を果たした。さらに朝日杯将棋オープン戦、銀河戦と全棋士参加の棋戦で2度優勝。年間表彰にあたる将棋大賞では最優秀棋士賞にも輝き、部門賞も受賞した。
2021年度は棋聖、王位で防衛戦が控えるほか、今回本戦出場を決めた叡王戦では豊島将之叡王(竜王、30)への挑戦を目指す。また竜王戦でも本戦出場が確定しており、三冠、四冠とタイトルを増やしていく可能性もある。デビュー直後から打ち立てた最多連勝記録は「29」。これに向けて連勝が伸びれば伸びるほど、次のタイトルへの距離はさらに縮む。
(ABEMA/将棋チャンネルより)