先月発覚した厚労省職員23人による居酒屋送別会に参加したメンバーのうち、先週になって3人が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになった。しかし、送別会の日から発症までに日が経っていることから、宴会との関係性は明らかになっていない。一方、国立感染症研究所の職員21人も3月の緊急事態宣言中に飲食を伴う送別会を開催。感染者は確認されていないが、コロナ禍において会食に対する世間の厳しい目が向けられているのが実情だ。
そんな風潮を飲食店側はどのように見ているのか、東京・新橋に店を構える根室食堂の平山徳治店長は「テーブルを広げて案内をしててもお客さんからすると『これ危ない』という話がきたり、『ここ混んでる』など、混んでいる店に対して批判をし始めるお客さんもいる。本当に複雑です。結局批判されるわけで…それがなんで僕らのせいになるんだろうと腑に落ちないところもある」と複雑な心境を明かす。
感染者の情報が会食などと紐づける形で報道されることもあるが、実際に新規感染者の何割程度が飲食店関係なのだろうか。統計学者の鳥越規央氏は「飲食店でどのくらい感染したかという具体的な数字はどこも出していない。どれだけ増えているのか? というエビデンスがどこにもない」と指摘する。
ただ、この問題を大阪に限定すると1位が高齢者施設で42%、2位が医療機関で34%、3位が学校関連で10%、4位が職場/研修で7%、5位が会食/カラオケで3%、6位が飲食店で2%となっており、必ずしも飲食関連が高い数字であるとは言い切ることができない。この点について鳥越氏は「飲食店の割合っていうのは少ないわけで、それ以上に高齢者施設や学校、医療関係の方がじつはクラスター発生の源になっているというデータがある」と述べた。
会食の場における感染防止対策として盛んに「マスク会食」が推奨されているが、最近になって主に猛威を振るっている変異型ウイルスについては、万全と思われる対策を講じていても、感染してしまうことがある。
実際にマスク飲食を実践するも変異型ウイルスに感染してしまった男性は「一人でカウンターで飲んでて、2~3会話するくらいで、マスクしながらで感染している」と恐ろしさを語る。
この男性はマスク飲食を守りながら1時間ほど食事をした。しかし後日、この居酒屋スタッフの変異型ウイルス感染が発覚して濃厚接触者に。検査の結果、男性も陽性が確認されたという。
さらに男性は「ウイルス自体が変わってきたのではないかと。もしこの感染力でひとり無症状で電車や人ごみの多い大きな駅にでもいたら全員に移してしまってもおかしくない。今出されている基準というのは、外に出て飲むんだったらこうした方が感染が抑えられますよという基準なので、出なくて済む対策に切り替えていかないと全く意味がないのではないか」とも話し、感染の当事者となった今、政府、自治体が講じる現状の対策に対する不安を明かした。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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