将棋界の若きエンターテイナーがキレッキレだ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ・第2試合、チーム藤井とチーム三浦の対戦が4月17日に放送され、チーム藤井の高見泰地七段(27)が、チーム三浦の本田奎五段(23)に2連勝、チームの勝利に貢献した。タイトル経験者ながら、若々しい将棋で勝利を収めたかと思えば、盤外では持ち前のトーク力でも後輩棋士やファンの心を鷲掴み。藤井聡太王位・棋聖、伊藤匠四段の18歳コンビに劣らない活躍ぶりとなった。
初戦となったチーム稲葉戦を2勝1敗で勝ち越せたこともあってか、チーム三浦戦の高見七段はノリノリだった。本田五段との1局目を見た解説の阿久津主税八段(38)が「高見さんが元気よく生きましたね。将棋の図面だけ見たら最年少棋士」と言うほど、元気いっぱいの指しっぷり。まさに切り込み隊長といった戦い方で、90手で勝利を収めた。
幸先のいいスタートに、チームメイトとのトークも絶好調だ。藤井王位・棋聖から「完璧でした」と声をかけられると「ありがとうございます!褒められたら伸びるタイプなんで、また勝ったら褒めてください」と、ニコニコしっぱなし。この雰囲気に引っ張られてか、藤井王位・棋聖も、三浦弘行九段(27)との一局を前に「横歩取りになると思いますが、定跡を教えてください」と高見七段に問いかけ「いやいや、ご冗談を」と笑顔でやりとりするシーンまで生まれた。この微笑ましいやりとりには、ファンも「褒められて伸びるタイプをアピール!」「たかみーおめでとう!」「藤井師匠に褒められたw」と同じく大喜びになった。
好循環は2局目の結果にもつながった。本田五段との再戦は、得意の矢倉で勝負し、熱戦の末に139手で勝利。個人2連勝を果たした様子に相手のリーダー三浦九段からも「高見さんも、ここまでやるとは…」とため息が出るほど、盤石といった勝ちっぷりだった。
チーム戦としては2連勝を果たし、チーム藤井は本戦出場一番乗り。この結果に「藤井さんと伊藤さん、9歳下のお二人に混ぜていただいた。控室で1局重ねるごとに仲良くなって、藤井さんも強いですが、伊藤さんの強いところも見られました」と目を細めると、さらに「最年少のお二人と、1局でも1分でも一緒にいて、将棋が強くなりたいなという思いがあります」と、後輩からも謙虚に学ぼうという姿勢も見られた。確かに藤井王位・棋聖、伊藤四段の18歳コンビは、このフィッシャールールでとにかく強い。ただ、もし優勝をすることがあれば、その雰囲気を作ったのは高見七段であることは揺るがない。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
この記事の画像一覧








