棋士一同が絶賛&お手上げ 高野智史五段が放った▲5五桂に「まいりました」「次の一手に出てきそう」/将棋・ABEMAトーナメント
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 鮮烈な一手に、全員がお手上げだ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Aリーグの第3試合、チーム三浦とチーム稲葉の対戦が4月24日に放送されたが、第2局で高野智史七段(27)が船江恒平六段(33)に103手で勝利。この一局の決め手になった一撃が、解説や見守っていた棋士たちをまとめて驚かせた。

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 高野五段は、「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つトップ棋士・木村一基九段(47)の弟子。師匠譲りの受けの強さが魅力で、2019年度には新人王戦で棋戦初優勝も果たした。ABEMAトーナメントは今年が2度目の出場。三浦弘行九段(47)、本田奎五段(23)という同じメンバーでチームワークよく戦っていた。

 高野五段・矢倉、船江六段・雁木で始まった一局は、一進一退の攻防。終盤に入り高野五段の攻めがどこまで続き、寄せきれるかというのが勝負の分かれ目になっていた。作戦会議室で見ていた三浦九段が「8五桂打ちとか、勝てないな、これ…。受ける必要もないね、全く」と頭を悩ませていたところ、ここで高野五段が繰り出したのが▲5五桂!。2八の地点にいた相手の馬の利きを止めるとともに、直後に▲7三角打の王手飛車を生み出す、絶品の一手だった。

棋士一同が絶賛&お手上げ 高野智史五段が放った▲5五桂に「まいりました」「次の一手に出てきそう」/将棋・ABEMAトーナメント
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 これには解説の田村康介七段(45)が「あー。次の一手に出てきそう。これはまいりました」と絶賛すると、三浦九段も「おー、つえー!そりゃそうか。いやー、そうか。いい手だな。勝ったな、間違いなく」と興奮気味にまくしてた。さらにはファンも「これはかっこいい決め手」「華麗なカウンター」「さすが新人王の手」と、2人と同様にコメントを投稿しまくった。

 残念ながら団体戦としては、チーム三浦はチーム稲葉に敗戦。高野五段の今大会での戦いは終わったが、このきらめく一手は「ABEMAトーナメント次の一手問題集」があれば、ぜひ加えたいものになった。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

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